決済時に買主と突然の大ゲンカ!私が大人の対応ができなかった理由とは?
以前、決済時にお客様と大ゲンカをやらかした事があります。
後にも先にもそのような事は一度もないのですが、あまりにも理不尽な事を言われたため、少し感情的になってしまいました。
決済というのは買主の融資先(主に銀行)で行うのですが、そこでは名義変更(登記手続き)と残代金支払い、鍵の引渡しというのが同時に行われます。
売買取引における最後の一大イベントですので、それまでに何らかの´いざこざ´が仮にあったとしても、最後位は気持ちよく笑顔で済ませようと思うのが一般的なのですが、そうはいかない場合もあります。
少しの記載ミスが原因?
1千万以下の中古物件の取引だったのですが、中古物件の1千万以下というのはネット広告をしているだけで目を引くことが多く、1千万台後半の新築よりもネット反響が多いです。
その時の物件は程度が非常によく、以前住んでいたとされる高齢の方が病院で亡くなったため、依頼者は相続人である息子さんからでした。
息子さんはその物件に一度も住んだことのない物件で、遠方に住んでいるとの事でした。
そのため、あまり物件に関しては隅々までよく分からないというよくあるパターンでした。
我々は査定の際、近隣の相場を調べて売り出し金額を決める訳ですが、お母様が亡くなった後、直ぐにクロスの全面張り替えや水周りのクリーニングを行い、そのまま2~3年は放置状態だったようで、程度の良い物件はそれなりのプラス材料にはなります。
それを聞いた私はいつ頃にそのリフォームを行ったかの確認を曖昧に聞き取りしており、いざ物件をネット掲載しするとき、リフォーム時期を記載する際、「大体この期間で大丈夫だろう」と勝手に思い込み、ネット掲載をしてしまったのです。
その事が後々、トラブルの原因になるとも知らずに…。
決済時にいきなり奥様が激怒!
そのリフォーム時の時期が問題でした。
実際には半年ほどずれていたのです。つまり記載していた年月よりも早くリフォームを行っており、それを買主が知ったのは直前の立会いの時です。
決済前「もう一度物件を見たい」との要望で現地を訪れた買主は偶然、売主と遭遇、そこで売主は「約1年前にリフォームをした」という話をしたようで、そこで買主は「えっ、不動産屋のネットには半年前になっていましたよ」とのことで、話が食い違っていました。
私はその内容を直接聞くこともなく、買主も決済前にそのようなことで売主の前でもめたくないと思ったようで一旦退散しました。
そして決済時、銀行でのテーブル席には売主、買主、私、司法書士の先生、銀行営業マン立会いの元、行われましたが、奥様の様子がとてもおかしい。
突然、私に対して「クロスの張替えは1年も前にしているようじゃないですか!なんで半年前のリフォーム実施になっているの?おかしいじゃないか!」と激怒。
私は突然のその言動に驚愕し、「はい?それは売主さんから聞いた内容をそのまま記載しただけですよ」と反論。
すると、売主は「いや、その年月を言った覚えはない」と! 私は´ゲゲゲッ!最悪´と思いながらも奥様のその態度に逆切れしてしまい、「確かに違ったかもしれませんが、その事に対して購入動機に何か影響はありましたか?ないのであれば何か問題はありますか?今日は決済の場ですよ」と。(言った後、「チッ!しまった」と思いましたが)
感情的になった方が負け
奥様は私の怒りぶりに更に反論、「私達はあなた方を信用して購入した、それを間違った内容を記載をされたのでは騙された気持ちで一杯ですよ。それは大事な事ではないんですか?」と。
私は「それはそれで早く言ってもらわないといけませんよ、今日は決済の場です。売主さんもいらっしゃっていることですし、何か要望でもあるんですか?」とこれまた感情的な反論。
そこで見るに見かねた司法書士の先生が割って入り、「お二人がおっしゃっていることはよく分かります。買主さんがおっしゃっているのは補償を求めている訳ではなく、間違った記載をしたことに対しての言い分があるだけの気持ち的な部分だと思います。仲介さんはそれに対して謝罪の気持ちを表すことが先ではないでしょうか?」と諭されました。
最後は謝罪で解決
私は司法書士の先生の言葉にハッと気付き、「すいませんでした。私が間違っていました」と深々と頭を下げました。
売主も「私もちゃんと確認しておけば良かったのですが、すいません」と一緒に謝罪してくれ、買主は「いや、もう結構ですよ。その気持ちだけで十分です」と。
間違いは誰でもあります。特にこの業界、突っ込みどころ満載の仕事でもあります。
その際は間違いを素直に受け止め、誠心誠意、謝罪をすることで解決する事が多いものです。
皆さん、気を付けましょうね。