後で発生する費用で思わぬトラブルに!集中浄化槽には要注意,調査は重要

トラブル・クレーム解決事例

今でこそ下水道が増えてきており、地方に行けば行くほど浄化槽や汲み取りも多くあります。

今回は不動産取引には調査が本当に重要であることを痛感したトラブル事例です。

下水道認可区域に指定されている地域

将来、下水道が通る可能性がある地域というのは大まかに分かります。

それは下水道を管理する自治体(主に市町村)に聞けば分かりますし、電話でも教えてくれる場合もあります。

それが5年後かもしれないし10年後かもしれませんが、そこまで遠いと「未定だが認可区域には入っている」との回答があります。

それが2,3年後と割と接近している場合があり、その場合は「ほぼ決定」地域となり、それまで使用していた浄化槽や汲み取りは廃止ということになります。なので、浄化槽補助金も出ません。

そして、個別浄化槽を使用していて下水が道路に通った際、配管から取り換えないといけない可能性が出てきます。

その費用はすべて所有者の負担となり、道路から水周りまでの距離によっては50万以上かかる場合もありますので、それは大きな負担となります。

個別ではない集中浄化槽は要注意

以前、浄化槽の調査が不十分だったため、お客様に多大な迷惑をかけた事がありました。

浄化槽かどうかというのは敷地内を見れば分かりますし、下水道は道路を見ればマンホールがあるかどうかを見れば分かります。

浄化槽でも個別と集中というのがあり、今でこそ集中浄化槽というのは極一部の団地でたまに見受けられますが、これを見落とす可能性があります。

所有者からは「浄化槽」とだけ聞いて個別か集中なのかを聞き忘れてしまい、勝手に個別と思い込み、そのまま重要事項説明書に記載したことがあります。

その後、集中浄化槽ということが分かり、しかも、近いうちに下水が通り、その集中浄化槽を丸ごと解体する事も判明、さらにその費用も団地内の所有者で負担しなければならないということが分かりました。

つまり、集中浄化槽の解体費用の負担金と、下水道への引き込み工事費用の負担金と、ダブルで費用がかかることを重要事項として説明していなかったということです。

引渡し後、カンカンに怒った買主から連絡があり、「なんでこんな重要な事を説明しないんだ!」と言われ、「すいませんでした」と謝罪しに行きました。

下水道引き込みは工事は2~3年以内?

これは自治体によって違うと思いますが、原則は下水道への引き込み工事は、下水道が使えるようになってから2年以内に引き込み工事をお願いされます。

それを「嫌だよ、今まで浄化槽を使っていて水洗だし何も不自由はなかったんでそんな費用掛けたくないよ」といっても一応はそのような決まりになっています。

だからといって何も罰則というのはありません。半強制ではありながらも、罰金があるわけでもありません。

しかし、浄化槽から下水道に変わることで確かに費用負担は発生するものの、その土地の価値自体は上がります。

なので、喜ばしい事ではあるのです。何でもメリット・デメリットがあるのがこの不動産というものです。

皆さん、気を付けましょうね。

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