防犯カメラは犯罪抑止力になるか?リース契約は気を付けた方が良い?
先日、投資用物件の取引をいたしました。地方にある築20年の木造アパートです。
以前、被害妄想が強い入居者から「車上荒らし被害に3回も遭っているので困っている、何とかしてくれないか?」との連絡があり、オーナー様との相談により防犯カメラを付けることに。
犯罪の抑止力にもなると思い、防犯カメラ取扱会社に連絡し、「リースにて契約できますので絶対付けたほうがいいですよ。入居率も上がります」と言って契約を迫られました。
そこで気を付けたほうが良いのが、その「リース契約」というものです。
リースというのは「借りるもの」というイメージがありますが、実際に所有者はリース会社であり、レンタルだったとしても所有者はレンタル会社にあります。
オーナーチェンジの場合は要注意
所有権はリース会社にあってそこから借りている、借りたもの=返すものであり、次の新オーナーに引き継ぐ場合は使用者の名義さえ変えれば良いことであり、仮に新オーナーが「そんなものいらないよ。だから現オーナーで解約して」と言ってきました。
そして現オーナーにお願いして契約書を確認すると、〇〇ファイナンスというリース会社から購入しているような契約書になっているじゃありませんか!
なので、原則「解約不可」という契約です。
「え~~!」と絶句した私ですが、オーナーに「これは購入されているようになっているがご存知でしたか?」と質問、すると驚いた様子でした。
オーナーが契約内容を知らない場合がある
「これはリースでしょ?ローンではないはず。リース契約したんだから次の方が『いらない』と言えばすぐに解約できるのでは?」と、そっけない感じ。
「あ~何にもご存じないんだなぁ」と思いながら、「これはリースのようであって実はローンなんですよ、なので次の方がいらないといえば残額の支払いはもちろんのこと、契約内容によっては違約金がプラスされる可能性があります」と説明。
するとオーナーは「リース契約だから、それをこちらが支払わないといけないのであれば困る」との回答。
新オーナーへ説明して納得
その事を新オーナーに対して「入居者の要望によって取り付けたものなので引き続き使用してもらいたい」と懇願、何とか引継ぎができることになりました。
この防犯カメラ、取り付け(工事)会社によってリース金額も変わるようで、知人に聞くと、10階建30戸のマンションで、駐車場、共用部分、裏口等に4カ所取り付けたとして、トータルで50~60万位だそうです。
それはマンションやアパート等の規模や取付位置にもよりますが、小さい規模だったとしても2カ所で40万前後かかるそうです。
それを5年ローン(あえてリースという紛らわしい表現を避けます)で支払うと月々7,300円の5年払い(60回)とするとトータル約44万になります。
では6年目からどうなるのか?というと自分のものにはならないようですが、年間メンテナンス料金が1万で継続できるようです。
保証は付いている?
どのような商品にしても形あるもの、特に外に取り付けている物なので、
- 水害
- 火災
- 盗難
- いたずら
- 落雷等
の問題が生じた際、保証が付いているとのことです。
ただ、問題なのは免責事項もあるようで、そのあたりも十分注意して取り付けるようにしたいものですね。
追記しますが、こういった物件をオーナーチェンジする際、名義変更が必要になりますので、新オーナーの審査が落ちた場合どうなるのか?、ようはローンが通らなかったらどうなるのか?そういったところまで、ちゃんと仲介に入る不動産屋さんとは綿密に打ち合わせをしたほうがいいですよ。
「あ~あ~大丈夫でしょ」と軽々しく言う営業マンもいますので、ご注意を。