全ての売主様と円満(円滑)に取引可能な訳ではない,たまには失敗する
ちょっとしたクレーム事案です。
我々不動産仲介業者は売主様の物件があって初めて商売ができます。
先日、「値ごなし交渉」と言いまして、これは業界用語でしょうか?
なかなか売れない物件があり、金額が高いという問題と道路付きの問題もあったため、連絡を入れました。
これはあくまでも「頑張ったけど反響がない、結果売れない」という場合です。
値ごなし交渉とは
値段を下げたほうが売れる可能性がある場合、「もう少し値段を下げてみませんか?」と交渉することを値ごなし交渉と言います。
でないと、相場と現実が掛け離れている場合、時間もかかりますし、売主側から見ればヤキモキすることになりますので、「早く何とか売りたい」という気持ちと同時に「高く売りたい」という気持ちもあります。
なので、値ごなし交渉というのは我々不動産仲介業者としては当然の仕事です。
どちらかと言うと、「高く売れるのであれば何年かかってもよい」とおっしゃる売主様のほうが多いように思いますが、結局は最初から安くしておいて売っておいたほうが良かったという場合が多いです。
よく悪意のある業者なんかで、案内もせずに数か月間放置して「なかなか売れない」と持ちかけて値ごなし交渉する、という話を聞きますが、そんなことは普通はしません。
売主様に誤解を与える言動
その値ごなしの連絡の際、「なかなか売れないので相場に合わせましょう。〇〇万円であれば可能性は広がりますね」と伝えると、「じゃあ〇〇万で買いたいという人がいたら売ったほうがいいねぇ」と聞かれたので、「そうですねぇ」と伝えました。
その売主様、弊社とは「一般媒介」だったので、当然、弊社を通さなくても売却は可能です。
私は自信を持って「そうですね」と答えたときに「うちを通してくださいね」と言うのを忘れ、私との電話が終わった後、すぐに自ら不動産業者に連絡し、「買い取ってもらえないか?」という相談をしたようです。
そんなことはつゆ知らず、翌日、「その金額だったら売れる」と確信した私は直ぐに既存のお客様へ連絡して案内、「その金額であれば前向きに検討する」とのことだったため、今度は道路付きの問題があったため、その関係者への交渉事、´売主様からすべてを任せてくれている´と思い込んでの行動が裏目に出ました。
値ごなし交渉の翌日の℡で売主から驚愕の言葉が!
売主様へ上記行動を全て報告すると、「こっちでも動いているのでちょっと待って」と言われ、私は思わず「え~~~!!!」と声を上げると、驚愕の言葉が、
「昨日あなた言ったじゃない、『その金額で買う人がいたら売ったほうが良い』って...。私ちゃんと覚えているわよ」
そりゃ確かに言いましたけど...。(それ以上は何も言えない)
売主様は高く売れることが先決
売主様の気持ちを汲み取れば確かにそうですね。
早く高く売れるのであれば、誰が買おうと、誰が仲介しようと関係ないものです。
´私を通してね´という私の思いとは裏腹に、「あら、あなたが言ったじゃな~い?」と鬼の首を取ったような言い方に沈黙するしかない私。
一般媒介は自由に頼んでよい
一般媒介の立場ですからね。結果的には私の誤った発言によって誤解を招き、自分の利益を取り損なったという話ですが、今回の件、「解釈の仕方は人それぞれ」というのをしみじみ感じました。
それまでサポートしてきて良い関係を築いてきたと思っているのは私だけだった、ということです。
値ごなし交渉など、最後の最後までサポートだけして最後の美味しいところだけ他社様に取られたという話で、自己完結型のブログになってしまいました。
ってな訳で、結果を出さなければ単なるサポートだけで終わるってことは日常茶飯事です。
ですが、それによって売主様と買主様が出会うきっかけになったのであれば、それはそれで良し!無駄な努力はない!の精神でいきます!(少々無理がありますね)
皆さま、気を付けましょう。