ガスの長期契約でトラブル発生!意外に知らない契約の実態,中古物件は注意
以前、勤務していたころ、あるトラブルが発生しました。1戸建ての中古物件の契約でした。
築30年以上経過している物件で、程度があまりよくなかったため、その数か月前に全面リフォームをしていた物件でした。
リフォームの内容は、外壁塗装、クロス、キッチン、トイレ、バス、ガス給湯、フローリング等々の交換で、ほぼ新築同前にようになっていました。
契約後の思わぬ売主からの告知
割りとスムーズに契約も終わり、数日経過した頃、売主から1本の連絡があり、「そういえばプロパンガスの契約は15年にしていたのだが、それは伝えているかね?」というものでした。
私は思わず、「え~~~!」っと叫んでしまい、ガスの契約書があるとのことで、売主宅へ急行、その契約書を拝見すると、たしかに15年契約となっており、途中解約した場合には違約金が発生する旨の記載がなされていました。
私は「なぜこれを先におっしゃってくれなかったのですか?」と言うと、「だってお宅がリフォームの手配を行ったのでは?」と言われました。
たしかにその時に手配をしたリフォームの営業は弊社の従業員で、主にリフォームを担当していたのです。
そのリフォーム担当は売上を上げるためもあったのでしょうが、売主さんの出費を少しでも抑えようと、ガス会社と交渉し、あるAというガス会社と長期契約を結んでいたのです。
ガス契約は基本的に無料
ガス会社としては無料でガス台やボイラー(給湯器)、追炊き等を設置してあげますよ、その代わりに15年間は弊社のガスを使ってくださいねぇ~という契約ですので、長期的に見ればちゃんと儲けが出るようになっているわけです。
それをリフォーム担当と私との連携が取れておらず、そんなことはいざ知らず売買契約に至ったわけです。
私はすぐさま買主に「こういう理由でガス会社を継続して契約してほしい」とお願いすると、「いやそんな話は聞いていない、知人にガス会社がいるので、そっちに変えようと思っていた」と言うのです。
私はどうしたら良いのか悩んでいる間もなくガス会社に連絡を取り、「引継ぎがうまくいっていなかった、どうしたら良いか?」と相談すると、「それはそれでガス会社同士で話し合う、もし弊社との取引じゃなくなったとしても次のガス会社との契約を締結すれば、買主としてはお金はかからないので問題はない」とおっしゃってくれたのです。
ガス会社変更は会社同士で話し合い
私はホッと胸を撫で下ろし、買主と連絡を取り、「ちゃんと聞いていなかった私が悪かった。申し訳ありません」と伝え、買主に被害が及ばないよう、次のガス会社を教えてもらい、ガス会社同士で話し合いをしてもらうことになり、一応の解決はしました。
でもホント怖いですね。こういう引き継ぎ事項というのは…。特にお金が絡むことに関しては誰でも敏感に反応します。
「後で高くつく可能性もありますので、引き継ぎ事項は何でも告知してください」と言うべきで、告知してくれていれば、買主に対して、「特定のガス会社と長期契約を結んでいるので、それを条件に購入検討をお願いしたい」と告げれば良いだけだったのです。
しかし、そのようなガス契約の場合というのは往々にしてあることで、減価償却期間が10年~15年ですので、中古住宅の場合、「最近交換した」という場合には特に注意が必要ですね。