入居者には現状回復義務がある?故意過失は自腹ってご存知でした?

トラブル・クレーム解決事例

一般的な賃貸の話ですが、賃貸に入居されている方は退去する際、原状回復させる必要があります。

人の物を借りて住んでいたわけですから、「元通りにして返す」というのは極々基本的なことです。

もちろん、自分で工事を発注したりするわけではなく、我々不動産業者であったり、管理会社であったりします。

敷金預かりの文化がほとんどない?

敷金を最近ではあまり納めなくて良い物件が増えておりますが、敷金というのは、家賃滞納があった場合の担保であったり、故意過失によって損傷した箇所を補修する際に使われるもので、「今月お金に困っているから敷金を家賃にあててよ~」というのは通りません。それは意味が違います。

退去後に管理会社が立会い、損傷個所があった場合、「この分は差し引いて戻しますね」というような感じで返還されます。

敷金を納めていない場合は、実費精算といって、故意過失によって壊した箇所や汚れがなかった場合には原則的に入居者に支払い義務はありません。

これは何か月という短期間であっても、何十年という長期間であっても同じ理屈です。

故意過失とはどういうことか?

  • 子供の落書き
  • タバコによるヤニ
  • 掃除怠慢によるカビやサビの付着(掃除では取れないもの)
  • 物を落として付いた傷

故意=わざとやったということですが、そんな人はいませんが、過失は結構あります。

自分の認識外のところで、いつの間にか付いてしまったキズ、これは確かにあります。

そういうところを管理会社は見逃しません。

知っているのに放ったらかしも過失

とても大事なことをほったらかしにしている入居者も多く、厄介なのは放置していたがためにそれが元で被害が拡大した場合です。

例えば、水漏れが発生しているにもかかわらず、気にしないで使用していると、それに伴って床が変色したというもので、その責任の所在はどこにあるのか?

非常に線引きが難しいものでもありますし、管理会社やリフォームをする業者の判断に委ねられるケースが多いです。担当者によっても判断は変わってきます。

経年劣化による損耗について

これについては原則大家さんが支払うことになっています。

これはごく当然のことで、物が存在する以上、古くなるのは当たり前の事であり、誰が使用しても同じように劣
化や損耗が進行していきます。

新しいクロスの減価償却は7年と言われます。つまり、7年で価値が0(ゼロ)になるということですので、7年以上住んでいて、故意過失がなければ通常の汚れは大家さんの支払いとなります。

残念ながら、それでも請求してくる業者というのは今でも少なからずいます。

それがよくある退去時のトラブルというものです。

退去時のトラブルは今でも絶えない

「自分が付けたキズじゃない」と言っても客観的に見てどうかの判断になりますので、入居時に付いていなかったものであれば、入居者が負担することになります。

なので、最善の防止策とすれば、入居後に気になるキズがあれば、それを直ぐ写真に撮ってそれをプリントアウトして、自身と管理会社(不動産業者)で保管するのがいいと思います。

そうすれば、退去時に「この傷は最初からあった」と自信を持って言えます。

現状に戻すというのは、入居時に完全に戻すという意味とは違います。

入居者には善管注意義務がある

普通に生活すれば誰が使っても普通に劣化していきますし、普通に汚れます。

それに関しては大家さんの所有物ですので、大家さんが負担します。

それとは別に入居者には善管注意義務というのが発生してきます。

善良なる管理者のもとで使用するという決まりがありますので、「人の所有物なので大事に使ってくださいね」ということです。

なので、掃除はきちんとしてください。汚れってたまっていくと意外に落ちなくなってしまうんですね。

それは掃除怠慢とみなされてクリーニング代金を請求されます。ご注意を...。

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