住宅診断(インスペクション)は何を調査するの?調査箇所の具体例をご紹介
住宅というのは住む人によって維持管理状況が違います。
その一方で誰が住んでも同じように経年劣化による消耗(損耗)があることも事実です。
建物を建てた建築会社や、実際に現場工事に関わった大工さんたちの力量によっても変わってきます。
建物診断の目的は?
いずれせよ、この世にある形あるもの全てが古くなり、最後には朽ち果てます。
木造住宅の場合、建ててから早いものに関しては5,6年後には外壁の劣化が目立つといわれています。
そういった住宅のコンディションを一般の消費者が判断するというのは難しく、中古住宅の流通促進の阻害要因にもなっています。
そこで、そのコンディションをその道のプロが確認、目視、触診することで、売主または買主に対して明らかにすることで、お互いが納得できる安心した取引を行うことがインスペクション調査の目的になります。
木造、軽量鉄骨、重量鉄骨、鉄筋コンクリートの中でも問題が発生しやすいのは木造住宅で、その調査方法を少しご紹介いたします。
外壁調査
年中、雨風にさらされている外壁、不具合が発生しやすい代表ともいえます。特に目視しただけでヒビ割れがある場合、建物そのものの防水性が悪化しているケースがあります。
そのヒビから雨水が侵入すると、構造材の腐食やカビの発生、湿気に伴うシロアリの発生といった深刻なダメージへとつながる可能性もあります。
特に北側の外壁です。普段は日が当たらない場所のため、早い場合は6,7年で劣化が始まるとも言われています。
屋根調査
屋根も外壁と同様、雨風にさらされるため、劣化しやすい状況下にあります。
高い位置にあるため、なかなか調査自体がしにくい場所ではありますが、目視で調査を行います。
瓦屋根の場合、地震や台風などによるズレの発生がほとんどで、金属屋根の場合はサビが発生しているケースがあります。
そして、家の中にある点検口から屋根裏を目視、木の腐食、黒ずみ、雨染みがある場合もありますので、そんなときは雨漏りが発生している可能性が高いです。
基礎調査
これは目視で分かりますが、亀裂の深さや欠損、コンクリートの劣化状況を見ます。亀裂が深い場合、そこから雨水が侵入し、コンクリートの構造自体に影響を及ぼす場合があります。
室内の傾斜調査
普段何気なく住んでいる部屋でも、傾斜がある可能性があるため、専用の器具を使用して調べます。
1000分の6(1mで6㎜)以上の傾斜がある場合は「著しい傾斜」とされ、体調が悪くなる場合があります。
私も傾斜がすぐにわかる体質で、部屋に一歩入った瞬間、三半規管に異常をきたし、頭がクラッとしますね。
以上が主な調査箇所ですが、約1時間~1時間半くらいかかります。
既に社会問題化されている空き家問題、少しでも中古市場の流通性を高めるため、このような制度を利用することはとても良い事だと思います。