地上げ屋稼業も不動産業の一つ?地上げを成功させるコツも一応あります…。
「地上げ」ってよく聞く言葉ではありますが、早い話が「あの土地欲しい」と思った人が、土地の地主と直接交渉して買収する事を一般的に言います。
地上げ屋稼業という言葉がバブル期に流行り、立ち退きに応じない住人を説得し、いくらばかりの金を渡して半ば強制的に追い出したりする業種のことをいいます。
よくドラマや漫画にも出てきますが、お金では動かない住人を追い出すため、ダンプカーで家や店に突っ込んだりして強制的に追い出したりとか、それは実際にあった話のようです。
私自身もよく知人から「あの土地空いているが所有者を調べて交渉してくれないか?」と言われます。
地上げも仕事の一環
土地を買いたいと思っている人からすれば、「あの土地(家)どうにかならない?」と簡単に言いますが、
- 看板も何もない
- まったく管理されていない
- 所有者が分からない
そのような土地でも誰かが所有していることは確かです。そして税金を払っています。
維持をするにもお金がかかって赤字が出ている´負の資産´であることは言うまでもありませんが、所有者が「税金くらいタダみたいなもんだから払うよ」という資産家であれば´ずっと放ったらかし´ということもあります。
ですが、何も考えていない地主というのはいないと思います。
例えば、
- 遠方にいる息子がいつか帰ってきて家を建てるだろう
- 今すぐ手離す(売却)する訳にはいかないが、いつかは売却の方向性でも検討する
- 今住んでいる家を売ってそこに家を建て替えよう
- いつか計画道路にかかるかも(期待外れになる場合がほとんど)
- 先祖代々受け継いできた土地なので売れない
- いつか誰かに貸そうと思っている
- いつかアパートでも建てようと思っている
以上のように、売る必要性に迫られていない以上、「いつかは」という形容詞がつきますが、直ぐにどうこうという決断をしないだけで、何かを考えていることは間違いない訳です。そこをこじ開けるには相当エネルギーは必要となります。
千三つという言葉が当てはまる?
地上げは買い手側から地主に「どうにか譲ってほしい」と願いを出すわけです。
本当に地主が早く売りたいという事であればとっくの前に不動産屋に依頼して看板を上げているはずです。
それを何もしていない土地の所有者目がけて訪問するわけですので、そう簡単にはうまくいきません。
それこそ「千三つの仕事」と言われ、千個の依頼を受けて実際に話がまとまるのは3つだけということです。
それだけ厳しい仕事であると言わざるを得ません。
買主からの直談判が一番良い?
ここからは成功しやすい技の伝授です。簡単な事です。
不動産屋に全部頼めば一番楽ですが、ラクをして本当に欲しい土地は手に入りません。
素直に自分の気持ちをぶつけると案外と話は通じるように思います。
だからと言って「売ってください!お金はいくらでも出しますから!」などと言っては門前払いです。地主さんの心には全く響きません。
元々が今すぐ売る必要性のないものです。それを承知で地主さんの心の扉をこじ開けようとする訳ですから。お金の話をしては逆効果です。
このように言えば成功する確率が高まる?
「素敵な土地でとても気に入りました。こういう所に住んで幸せになりたいと思っています。必ず大事に使いたいと思っているので、もし条件によっては譲っても良いかとお思いであれば、一度ご検討いただけませんか?」
これだけでグッときませんか?
これは本人が「ここに住んだら幸せになれる」という気持ちを素直にぶつけていますので、これを不動産屋の一営業マンが言ってもまったく効果がありません。
「あんたらはどうせ金儲けのためだけにやっているのだろう」と思われるのがオチです。(笑)
本人が足を運んで門前払いなら一旦は諦めてまた数カ月後に足を運ぶという手もあるでしょう。
空き地所有者は基本的にお金持ち
よっぽどのことがない限り、空地を所有されている方で放ったらかし状態であれば一般的には「お金に困っていない人」と推測されます。
ですので、お金の話を最初から前面に出して交渉するのはご法度です。だってお金に困っていない訳ですから…。
というわけで、たまに地上げ依頼をされるお客様がいらっしゃるため、カツキではこのようなアドバイスを差し上げています。