夜中に奇声を発する?これはかなり危険な物件です。聞き取り調査も重要です
売主から売却の依頼を受ける際、非常に重要なことがあります。
それは聞き取り調査です。
物件は見たら分かりますし、道路や上下水道等のライフライン関連は役所調査をすれば分かります。
初動調査は売主からの聞き取り
しかしながら、住んでいる売主本人しか知りえない事実というのがあります。
我々不動産業者がいくら調べても無理という内容があり、時としてそのことの方がと~っても重要なこともあります。それはえてして非常に怖い事だったりします。
ずっと前の話ではありますが、以前から売却活動を行っていた物件を、業者を通じての申し込みが入りました。
しばらく売れていなかったため、とても嬉しかったので売主に、「ようやく売れましたよ!」の報告を行いました。すると、意外な言葉が…。
「あーよかった、そのお客さん、お隣さんの事は気にするかどうか分からないけど、夜中音を出すだけだからね」
「え?どういうことですか」と私。
お隣さんに関する衝撃的な事実が…。
「うん、少し精神障害がある人が住んでいてね。夜9時頃からかな。どんどん壁を叩く音が聞こえるけど、気にしなければいいだけだよ」と。
私、「いやいやいや、それは初めて聞きましたね。それはそれで買主さんに言っておかないと後でトラブルになりますよ」と伝えると、売主は「未来永劫、そのようなことが続くわけではないから、いつかはその人もいなくなるわけなんで、あえて言わなかった、後はまかせるよ」とまるで他人事。
業者を通じてそのことを伝えると、「えっ、それは本当ですか?夜だけというのが困りましたね。昼だけであれば昼間は仕事でいないのでいいとは思いますが、せっかく物件は気に入ってくれていたんですがね」と。
私は罰が悪そうにしながら「申し訳ありません、それは聞き取り不足でした」と伝え、その数時間後、思惑通り、「すいません、今回は難しかったです。」とのこと。
そりゃそうですよね。誰だってお隣さんが奇声を発すると聞いたらイヤですよね。
生きている人間が一番怖い
お隣で何かしらの事件や事故が起きたというのは心理的瑕疵にあたりますので、気分的に「なんか気持ち悪いなぁ」で済みますが、実際に生きている人物が、言葉と言えど攻撃してくる訳ですから、一番嫌な´訳あり物件´であることに違いはありません。
しかし、売主が言うように「未来永劫、続くわけではない」というのも、ある意味正解です。病院に入る可能性もある訳ですから。
でもわざわざそのような物件を買わなくても…。というのがあればなかなか買い手が付かないのが現実ですね。
やはり生きている人間が一番怖いです…。
そもそも、最初にちゃんと聞き取りをしていなかった私が悪かったです。周りに迷惑が掛かりますからね。
反省しきりです。ごめんなさい…。