退去時のトラブルで多いタバコのヤニ,原状回復費として請求できるか?
今ではタバコ税が重なり一箱400円以上もするタバコ、何やら電子タバコなるものも出てきているようで、よく見知らぬものを片手に吸っている人を見かけるようになりました。
見かける場所で多いのはコンビニの外でしょうか?あれは車内でも吸えなくなっている事だと思いますが、この寒空の中、愛煙家にとってはつらいですね。
かくゆう私も結婚した30歳頃(約17年前)までは吸っていましたが、美味しいタバコを吸えなくなってきたせいか、パッタリやめましたね。意外に簡単に。
そして、今のように愛煙家が隔離されたような状況でもなかったため、いつでもどこでも吸っていたような気がします。
原状回復のガイドラインが厳格に
家に帰れば当然部屋に入るわけですので、家族がいたり、子供がいれば当然ながらその前で吸う人はあまり見かけなくなってきました。
ホタル族というんでしょうか。ベランダに出て吸うか、そこでも奥様から「外で吸ってよ」と言われれば、渋々「はいはい」と言いながら外で吸っているのが現状でしょう。
それでも部屋で吸う人は吸うし、奥様も吸うとなれば部屋の中は煙が充満状態という事もあると思います。
我々仲介不動産屋とすれば、オーナーの持ち物である部屋を管理する立場にいます。なので、「善良なる管理者のもとで注意して使用してください」という重要事項説明をしなければなりません。
昔はそれこそ今のように原状回復に関して厳しくありませんでしたから、不動産屋の言いたい放題で、何も確認しないまま「敷金は返せません」と言っている不動産屋も数多くあったことは事実です。
でも今は当時と異なり、原状回復ガイドラインの見直しによってかなりに借り手側に優遇されたものになっています。
退去時の原状回復費用を巡ってのトラブルが絶えず、入居者側の過失がない自然損耗や経年劣化は貸主負担ですよというごく当然の内容になったというだけです。
タバコのヤニは過失として扱われる
明確な規定のあるガイドラインですが、それ以外の項目でグレーゾーン(線引きがされていない領域)というのがあります。
部屋で吸っていたタバコによってヤニがクロスに付着して黄ばんだ場合はどうなるのか?という問題です。
それは一般的には入居者側の負担として4面全てのクロスの交換を負担しなければなりません。
その理由は、もうすでに社会全体でタバコを吸うという行為自体が当たり前ではなくなったからだと言えます。
「吸うなら部屋以外で吸ってくださいね」ということですね。
この事にモヤモヤ感がある人もいらっしゃるでしょうが、現実的にタバコを吸う人口が少なくなり、今では全面禁煙の店も多く、前述したように愛煙家が隔離されているという実態があるからです。
堂々と事務所内で吸う行為はマナー違反?
先日のお客様、来店してすぐに「タバコは吸われますか?」と聞いてきたため、私は「いいえ、吸いませんが」と答えました。
すると、「吸ってもいいでしょうか?」と聞かれました。私は即座に「あぁいいですよ」と戸惑いながら返答、すると、「灰皿ありますか?」と聞かれたため、「いや、申し訳ありません、私が吸わないものですから」というと、「じゃあ取ってきます」と言ってすぐに車内までわざわざ取りに行っていました。
私は一瞬沈黙しました。「吸わないと言っているのに、ひょっとしてここで吸うの?」と思いながらも待っていると、しばらくしてマイ灰皿を持ってきたお客様、今あるような電子タバコではなく普通に煙モンモンタバコで吸い始めました。
私も吸ったことがない訳ではないため、´懐かしいなぁ´と思いながらも黙認して商談しました。
そのお客さん、約1時間の間に計5本くらい吸うヘビースモーカー!
帰りを見送った後の事務所内に煙が充満、そして臭いの酷さと言ったら、思わず「おえっ!」となりました。
そして、自身のスーツにも臭いが付着。「はぁ...。」とため息。
これまで何十組も来店されたお客様がいらっしゃいましたが、誰一人としてまず「吸っていいでしょうか?」と聞いてきた事はありません。
それは相手に気を遣ってのことであり、そう聞いてしまったら「ご遠慮願えますか?」と言われるのも多分嫌なはずでしょうから、聞かないのが普通なのではないかと思います。
吸いたくてしょうがない人は「ちょっと吸ってきます」とどんなに極寒だろうと猛暑であろうと外に出て吸うのが今は常識になっていますからね。
しかし、ここまで臭いが染み付いているとは思いませんでしたね~。それにはかなりびっくりしました。勉強になりましたよ。
消臭スプレーもなく、窓を開けたら恐ろしいほど寒いし...トホホでした。
という訳で、皆さんご注意くださいね。