近隣での野焼きでクレーム,どこからが違法なのか?その程度によりますね
先日、引渡しを終えた中古物件の所有者から決済終了後に早速連絡がありました。
言いにくそうでしたが、「お隣さんが庭で何かを燃やしている。うちのほうにも灰が飛んできているが、市役所等に言えば対処してくれるのか?」というものでした。
私はその程度がどのようなものか分からなかったため、「元所有者からの情報では特にそのような話は聞いていない。迷惑をかけるような人ではないと思いますが」と回答。
数日前、所有者と共にお隣さんに出向き、顔を合わせて挨拶、人柄も非常によさそうな雰囲気の方でしたので、所有者も安心した様子。
そのような経緯から、所有者も「悪意があってそのようなことをしているわけではないことは分かっているけど…」と。
私は「そのようなことがしょっちゅうあって配慮も何もないということであれば役所から注意してもらっても良いが、今の所有者変更のタイミングで言うとあまりよろしくないのでは?」と言うと、「それもそうだね。一旦様子を見る」との事でした。
野焼き禁止条例はどこの自治体でもある
法律では「野外での野焼き」は禁止ですが、農家が畑の凍結防止のための稲わら等の焼却は大丈夫です。
そして、また違う法律で産廃処理法というのがあり、有害物質を燃やすことは当然違法になります。
しかし、一般的な落ち葉・枯葉等の「たき火」や日常生活に関わる必要最低限の焼却で軽微なものは大丈夫です。
この辺りは非常に線引きが難しいもので、曖昧と言えば曖昧です。それが認められた範囲内であっても周辺住民に対する配慮は必要です。
- 悪臭
- 煙
- 洗濯物への付着 等々
現場はメイン通りから一歩入った閑静な場所、おそらくは焚火程度の軽微なものと推測されたため、「これが周辺への配慮も一切なく、しょっちゅう行われていれば関係役所への通報をします」と伝えました。
売主の事前告知義務はある
最近まで前所有者が住んでいた物件、このような環境的瑕疵がある場合、それを知っていて告げなかった場合、悪意があるという事で瑕疵(欠陥)付物件として売主は相応の責任を負わなければいけません。
それをどういった形で責任を負うのかというのは非常に難しいのですが、このような焼却というのはほとんどが昼間に行われ、近隣住民は仕事で誰もいない、となると売主は「いや知らなかった、気付かなかっただけかも」となります。
これを日中頻繁に焚火が行われ、周辺住民に対する配慮も一切ないとなると、これは前所有者が知らないはずはない、知っていて当然とみなされるケースがあります。
それを気にするのかしないかの受け取り側の問題もあるとは思いますが、それを告知していたからと言って、それもまた買主側の購入動機に影響があったかどうかも分かりませんし、どの程度なのかも分からない訳ですので、とても難しいケースではありますね。
近隣への配慮が一番大事
このケースでは、あくまでも近隣に対しての配慮、が一番大切だと思います。
- 火元から絶対離れない
- 近所には一声かける
- 洗濯物にかからない風向きの時に行う
- 風が強い時には燃やさない
- 臭いを出さない物を燃やす
等々、ようは誰かに迷惑をかけなければ、それは特に違法でも何もなく、単なる焚火です。
誰にも迷惑をかけることもなく、「芋を焼いてるんだよ」であれば誰も文句は言わないし、それを「違法」と唱えるあなた自身の存在が犯罪だと私は思います。
ま、ご用心くださいね。