アナログ不動産業界に革命的技術論が噴出していることをご存知でしょうか?
本日は今何かと世間を賑わせている仮想通貨の話題です。最近になって何かとメディアで報道されるようになり、ネットニュースでは良い面も悪い面も両方報じられていて勉強になります。
先日の日曜朝放送の「ワイドナショー」ではダウンタウンの松ちゃんが「俺も持っているけど、仕組みを何回聞いても分からない」と言っていました。皆そうです。でもそれでいいんです。
これは新しい事を瞬時に受け入れられず、直ぐに心のシャッターを閉じて否定的になる日本人特有の脳神経の問題にありますので、あまり難しく考えないでください。と言ってもちょっとだけ技術面での難しさがありますので、では考えずに頭を少しだけ柔らかくしてイメージだけで捉えていただければと思います。
私のブログでも何度かご紹介しておりますが、時代遅れの不動産業界にとって私の考え方がほんの少しでも役に立てるのではないかと思っていますが...。
仮想通貨を支えているものは一体何?
よく耳にするようになった仮想通貨、その絶対王者ともいうべき存在であるビットコイン、これはネット上に存在するお金の事ですが、そのビットコインが「すごい」とか「悪い」とかそんな低レベルの話ではなく、その安全な取引を支える基盤技術として開発されたものがあります。
「世は仮想通貨バブルだ!」とか「ビットコインが上がった下がった!」だの一喜一憂しながら四の五の言う前に、その根幹を支えているものの説明がメディアではあまりなされていないように思います。
それが ブロックチェーン という技術です。これがすごいんです。まさに金融革命です!
この技術を何も分かっていない(知ろうとしない)方々が「下がっているから怖い」とか「上がったから儲かった」などと言う話をするのです。単なる投機目的で為替の変動だけで利益を上げている投資家の方は別ですけど。
ビットコインを先に知ろうとするから分からないのかもしれません。このブロックチェーンを先に説明すれば、「あぁなるほどね」と理解を深めるのかもしれません。
簡単に申し上げますが、「取引分散台帳」と言って、ネット上に存在する「台帳」に取引した事例が記載され、参加者全員で総合監視ができるというものです。
しかも過去から現在まで、全世界で取引された事例が暗号化された状態で記載されますので、個人情報は一切明かされません。
その一つ一つの取引がブロックになっていて、そのすべてのブロックがチェーンで繋がっています。
そのチェーンには厳重に鍵がかけられていますので、第三者がその鍵を不正に外したりすることは不可能と言われているため、一切の不正や改ざんができない仕組みとなっています。
下の図の右側が経済産業省発表の調査報告書によるイメージ図です。左側がこれまで、右側がこれから起こるであろう非中央集権型のブロックチェーンの仕組みです。
右側は中央で管理する機関がありませんよね。「管理者は参加者全ての人ですよ」ということです。これが革命的な技術として開発されているということです。何となく分かりますか?
世の中はどんどん便利になっていく
人類すべてにおいて、「お金」が無い事には生活ができない世の中ですが、時代の流れと共にそのお金の形というのは変わってきました。
石のお金→銅貨(和同開珎)~紙幣 そして、次はデジタル通貨と呼ばれるものです。
一度でもインターネット銀行というものを使用したことがある人であれば、その便利さたるや、それだけでも想像を絶するほど便利です。わざわざ銀行に行って並んで待つ必要がない訳ですから。
スマホ普及率は全世界で8割と言われていますが、それが財布になったら便利ですよね。すべてがキャッシュレス(デジタル通貨)になるわけですから。ジャラジャラと持ち運ぶ必要がなくなります。
もうあなたの財布の中には入っていると思いますが?クレカ、ニモカ、スイカやナナコといったものが。それもデジタル通貨の一つです。
家の車の鍵もそのうち無くなってきてキーレス社会になります。
現に久留米の大手E不動産ではアプリを使用した保管技術によってシステム導入をされています。
「じゃあスマホをなくしたり水没させたら大変だ」と思われるでしょうが、そこはそんなひ弱なセキュリティではありません。
そこはちゃんと暗号化されていますので、誰もが入れない強固なシステムで守られていますので、他人の手によって不正されることはありません。むしろバッグの引ったくりや置き引き、紛失のほうがリスクは膨大です。
セキスイハウスがブロックチェーンの仕組みを使い始める?
大手ハウスメーカーである積水ハウス様が、仮想通貨取引所「ビットフライヤー」とタッグを組み、仮想通貨参入を表明している事実をご存知でしょうか?
ピンとこない人が大半だと思いますが、上の図でイメージしていただきたいのですが、このブロックチェーンという技術を使えば、金融のみならず、様々な業務・業界で応用され、その威力を発揮します。
- 不動産取引(登記)
- 住民票、戸籍等の書類管理
- 陸運支局での車両登録
- 著作権等の管理
- 行政庁での書類管理
私の頭だけで何個か思い浮かべただけでも沢山あり、そのすべてが役所関係、銀行など中央で管理しているものばかりです。なので、ブロックチェーンが本格的に開始したら、役所や銀行関係の仕事は半分に減るとも言われています。
もうここまでくると私の頭では理解不可能です。そこは超優秀なプログラマーに任せましょう。
今回は大手住宅メーカー積水ハウスがブロックチェーン技術を利用した不動産情報管理システムの構築を開始する事を正式に発表しており、その書き込む台帳を「スマートコントラクト」と呼びます。(また出てきましたね。難しい単語が)
不動産事業で活躍するブロックチェーン
そのスマートコントラクトの仕組みを活用した一大プロジェクト、大手取引所であるブットフライヤーによれば、「不動産業界でのブロックチェーンの実運用は日本で初めての事」のようです。
本来はビットコインという仮想通貨を安全に取引が出来るように基盤技術として開発されたブロックチェーンです。
それが構造的にも
- データ改ざん不可能
- システムダウンなし
- 構築自体が低コスト
となれば異業種業界としても、利用しない手はない といったところでしょうか。
試験的に導入するのは賃貸住宅の情報管理
本年度内を目途に賃貸住宅に関する入居契約等の情報管理システムをブロックチェーン上で構築・運用に着手するとのこと、次に2020年を目途に同社グループのサービス提供をブロックチェーン上で行うことを視野に入れていくとのことです。
将来的にも日本全体の不動産業界のネットワーク構築へ向けて標準となるプラットフォームを目指すとは、さすがです。一歩先へ進んでいます。
技術的革新が起こっているブロックチェーンというシステムを導入しようとしている日本一のセキスイハウスが、頭の固い不動産業界を変えてくれる日がそこまで来ているかもしれませんね。