分譲マンションの共用部からの飛び降り(投身)は重要事項説明になるのか?
これまでに何度も訳(ワケ)あり物件に関しては話題にしてまいりましたし、これからも事ある度、思い出す度に書いていきたいと思います。
久留米市内の分譲マンション
中核都市の久留米市、福岡市内と比べると、分譲マンションは建設ラッシュとは言わないまでも、街中では定期的に建設がされております。
1棟あたりの世帯数が一番多いのが、JR久留米駅前にそびえ立つザ・ライオンズ久留米ウェリスタワーで、297戸です。
九州初の免震構造を採用した35階建のタワーマンションです。
私は一度だけ34階部分のお客様に会いに行ったことがありますが、そりゃあもう絶景なんてものではありませんでした。足がすくみましたからね。
久留米市内のマンションの殆どは容積率や高さ制限等により14階建が最高階数ですが、JR久留米前は再開発事業地域という事で特例として認められています。
分譲マンションの共用部分での訳(ワケ)あり
以前、あるマンションに住む住人からの査定依頼を受け、その階とは違う11階部分の共用部からダイビングしたという訳あり物件の事例がありました。
それを知ったのは売主本人からではなく、管理会社からです。
売買合意がなされた後、分譲マンションの場合、管理会社から「重要事項に係る説明書」なるものを作成してもらう訳ですが、そこで初めてその事実を知りました。
事前に知っていれば、その内容によってはサラッと買主に言えばサラッと流してくれる場合もあるのですが、契約直前にその事を知った私は慌てました。
上司に相談しても「トラブル回避のために言っておいた方がいいんじゃねぇの?」と素っ気ない態度。
私は売主に「知っていましたか?」と尋ねると、「いやぁそんなことは知らなかった。知っていたとしてもそれを言っていたらキリがないよね」と言われました。
それはそうです。過去に起きた事で、買主もそれを知って「ちょっと気味悪いけど、ま、いっか~」という感じで購入したとしても未来のことは分かりません。
ひょっとしたら何かのきっかけでダイビングの名所になる可能性だってあるわけです。
じゃあその度に「気持ち悪いから引っ越そう」なんて言っていたら、過去に何事も起きていないマンションを探すこと自体が難しいのかもしれません。
購入動機に影響があるかどうかで判断
言おうか言わないべきか?、言う必要があるのかないのか?という判断は、ケースバイケースです。
程度にもよります。何せ数十世帯~数百世帯もある分譲マンションです。
しかも高さが最高で35階もあるマンションや、横に長広いマンションだったり、何棟もあるマンションだったり様々です。
その中のどこかで誰かが何かの事件や事故を起こしたり、巻き込まれたりするのは当然と言えば当然です。
人は生きている以上、何かしらの過失があると言われます。
それをすべて管理会社が把握しているはずもなく、おそらく連絡さえ入らない事もあるはずです。
なので、我々不動産仲介業者としては、買主の購入動機に少しでも影響を与えることであれば、サラッと伝える。「あ~これは言う必要もない」と判断すれば会社としての判断で言わない事も当然あります。
ま、どうこう言っても一番怖いのは死んだ人より生きている人です。