名前間違いで大トラブル発生!売主業者から指摘,誠心誠意を持って謝罪
重要事項説明書という書類があります。
その名の通り、買主様に対して説明する書類なのですが、それは不動産業者=仲介業者が作成をいたします。
当然ながら、売主側の名称も入るわけで、その紙面には宅建取引士の氏名と登録番号を記載しなければなりません。
チェック機関が緩かったための単純ミス
先日の取引で大トラブルが発生しました。その取引は売主が宅建業者で、その場合、表紙の一番上部の目立つ場所にその宅建士の氏名と番号を記載するようになっています。
そこで、契約前の最終打ち合わせとして、売主側にアポを取り、下書き用の書類を持参して売主の元へ。
そして、軽いジョークを交えながらの世間話を終え、さぁ本題、私は書類を取出し、その担当者である取引士の前にその書類を出しながら、
「すいません、宅建取引士の登録番号を書かないといけないのですが...。」と申し出たところ、その担当者は開口一番、
「名前が違うじゃないか!?」と。
私はいつも目にしているはずの担当者の下の名前を、まったく違う名前で記載していたのです。
苗字は割と変わった名前で、あまりその辺りにはない名前で、業界にたまたま二人いて、私の完全な思い込みによって別の人の名前を書いていたのです。
私は腹の中で´え~!そこぉ!?´と思いながら謝罪したつもりだったのですが、完全にぶち切れ状態の担当者。
「そんな失礼なことをされたこっちの身になりなさい、私はそういうの大嫌いなんだよ、しかも今回の取引自体、あなたのところを通さなくても良かったのに、あなたの上司の顔もあるから通してあげているのに、しかもあなたとは何回しか会っていないし、1時間も話していないよ、ずっと前から付き合いのある人ならいいけど、あまりにも失礼ではないか!これじゃ話は進まないよ」
私は自分の犯した重大なミスを検めて再認識し、「本当に申し訳ありません」と深々と頭を下げて謝りましたが、それでも腹の虫は収まりそうもなく、「上司に連絡する」と言いながら携帯はもう発信状態。
「あんたの顔を立てて取引きに応じたが、こんなことされたら気分が良くない、別に脅しているわけではないが、このままじゃ取引自体を考えないといけない」と。
それからも説教は永遠に。
「これまで名前が重要であることは分かっていたはずでは?」
「初歩の初歩のミスじゃないのか?」
「チェックされて間違いに気付いた上司は見て見ぬふりをしていたの?」
「一番大事なところを間違えられたら、取引も何もない」
私はじっと顔を下に向けながら、「はい」とうなずくしかなく、「とにかく一旦持ち帰って会社に話をしてき
なさい」と。
その時に自分が勤めていた会社では、私の上に部長と社長がいて、まずは部長に相談、すると、
「あの年代(40代後半)はそういうのにとても厳しい人が多い、単純なミスかもしれないが謝り倒すしかないね」と。
その後、社長にも同旨を報告、「それは仕方ない、収まらないのであれば俺が謝りに行くから大丈夫、そんなときのための会社だからね」と。
私は涙が出そうになり、「すいません」と謝りながら社長が来店するのを待ちました。
しばらくして社長が来たので、私は「今日はすいませんでした」と言うと、「もう行って謝ってきたからいいよ」とのこと、私は思わず「えっ!」と絶句。
それからマンツーマンでの報告、
社長:名前を間違えたこと以外に何かない?
私:(考えながら)いや~、チンプンカンプンな質問をしたことがありましたが、その事ですかねぇ
社長:名前を塗り潰さなかった?見せて、重説(重要事項説明書)。
私:はい、間違いを指摘されて慌てたものですから、逆にそのままにしておいたら失礼と思いまして。しかも製本でもなんでもなく、ただの下書き程度の書類でしたから。
社長:それはダメだ。名前は会社の顔だから塗り潰してはいけない。そんなときは「すいません、間違えてしまいました。製本ではないので、後できちんと訂正いたします」とだけ言えばいいんだよ。塗り潰すという行為は人の顔に泥を塗る行為と似ている。
私:はい、すいませんでした。
以上のようなやり取りが約30分間ありましたが、要約するとそのような感じでした。
それから、しばらく反省して担当者に連絡、「本日は私の不徳の致すところでご迷惑をおかけいたしました。謝罪したいため、少しの時間でも構いませんので、お伺いできないでしょうか?」と申し出たところ、
「謝罪したいというところまでは良かったが、『少しの時間』というのが気に入らないなぁ、少しの時間で謝罪できるようなそんな簡単な事にしか思えないのか?まぁいいが、いずれにせよ今から食事に行くので時間もない、明日にしてくれ」とのこと。
翌日、担当者を訪問し、深々と頭を下げ、「すいませんでした!」と謝罪の意を示しました。
担当者は「いいよ、いいよもう」という感じで、仕事の話ができました。
というわけで、いつどこで何のトラブルが起きるのか分からないこの業界、起きたことは仕方ないとして、後は誠心誠意を持って謝罪できるかによって、その人の力量というのが試されるのだと心底感じた一日でした。
以上、トラブル解決ブログでした。