前面道路の権利で土地の価値が低下?地役権設定は融資がおりない?

トラブル・クレーム解決事例

不動産の取引をするに当たり、これまで何度も調査の重要性を説いてきました。

これからも事あるごとに説いていきたいと思います。

先日、日頃から懇意にしているお客様より土地の売却依頼を受けました。

その方は税金申告の関係で「すぐに返事が欲しいのですぐ見てほしい」とのことでしたので、喜び勇んで駆けつけました。

確かに内容がかなり良質で、

  • 土地77坪
  • 建坪35坪
  • 積水ハウス施工
  • 軽量鉄骨造
  • 前面道路約6m
  • 築後38年と古いですが、結構しっかりしている
  • 売却希望価格1000万

それだけの概要を聞けば、この業界人としてはヨダレをたらし気味にホイホイと駆けつけると思います。

実際に現地へ行くと、想像通りの建物と立地で、希望金額1,000万でも良いと思いました。

良質物件は直ぐに買い手が付くが…。

私は急いで、これまで付き合いのあった業者数件に依頼し、現地で待ち合わせのアポを取りました。

皆さん口をそろえて「良い物件ですね。もちろん前向きに検討する」とのこと。

のちに、800万、850万と口頭で連絡があり、私も得意気に「う~ん、他にも声をかけていますので、少し時間をください」と言いました。

そして、4件目あたりで、以前非常に高く買ってくれた方に紹介し、その方とどうしても取引をしたかったため、その方を案内すると、

「前面道路が気になりますねぇ、私道っぽいので調べてくれませんか?」とのことでしたので、「分かりました!」と言って直ぐに役所へ。

調査すると驚愕の実態が

建築指導課へ行き、調べてもらうと、「道路認定はしておらず、あくまでも私道なので敷地延長として分割で建築確認を取っている」との事

私は「はぁ?」と思いながら質問を続行、「再建築は可能ですか?」というと、「依存する建物3棟との協議が必要にはなると思います」との回答。

当該物件は5棟ある昔の分譲地の一つで、奥二つがドン詰まりの土地形状で、手前の2件は公道に面しているので、当該物件は手前から2棟目、そしてその敷地延長の私道幅員が何と1mも満たない道路。

当該物件の奥のドン詰まりの家も同じように敷地延長の私道が約1mのため、登記簿にはお互いに地役権が設定されていました。

地役権とは何か?そして融資はおりる?

地役権とは分かりやすく言えば、土地を利用するために他人の土地を通らせてもらう権利の事を言います。

登記されていれば、売買されても一緒に「紐付き」状態で付いて回りますので、それはそれでいいのですが、大きな問題が一つ!

「住宅ローンの融資が承認されない」可能性が高い!?ということです。

これはどういうことか?

何せ幅員1mです、しかも他人が利用する権利を有している土地で、実際に下水管も通っています。

´担保価値がとっても低くなる!´ということです。

つまり銀行が「貸さない」との判断をすれば、お客様は現金で物件を購入することになります。

果たして「現金で買うお客様がいるのか?」ということですが、購入客のほとんどは住宅ローンを使用します。

当該土地の所有者も奥の土地を使用する権利を持っているため、お互い様と言えばそうなんですが、そのまま住み続けるのであればな~んも問題はありません。

しかし今回は売買です。売りたいという売主からの依頼があればそれに応える義務もあります。

自治体への移管

何とかしようと思って考え付いたのが、「市への移管」です。つまり市に寄付をして管理をしてもらうということになります。

それができれば一番良いです。それが可能になれば土地の価値がとてつもなくグーンと上がります。

なので、依存する3件の建物の所有者である3組の協力を得て市役所へ行き、相談することから始めることになると思います。

もし市が「管理は難しい」との判断が下された場合、今度は私道を「位置指定道路」に認定してもらうという方向性になりますが、市に移管するのも位置指定道路にするのも「お金がかかる」ことに変わりはありません。

ですが、多少かかったとしても土地の価値がグーンと上がるのであればそれが一番良いと思われます。

しかし、昔の分譲地というのはややこしい案件が多いですね。十分気を付けましょう。

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