公課証明書の委任状、「法人は実印が必要」と言われ憤慨,その理由とは?

トラブル・クレーム解決事例

売買取引の場合、公租公課の負担区分の割合というのがあり、引渡し(残金決済)の日から固定資産税は日割清算にて買主の負担となります。

それは普通に考えればわかります。仮に4月10日に新所有者に物件を引き渡したのであれば、その年の1月1日所有の旧名義人(売主)に請求書が届くようになっております。

固定資産税の負担は日割清算

不動産取引上、その仕組みは非常に面倒で、実際に請求書が届くのは4月下旬と言われます。

では先程の例で4月10日の引き渡しの場合、どうするのか?その場合、4月1日以降、市役所の固定資産税課に出向き、新しい年度の公課証明書を取り付け、税金を調べて、日割り計算をします。

そしてその金額を買主から売主に支払うことにより清算は終了となり、翌年からは買主側に自治体側からの請求書が届くことになります。

先日、売主が法人であったため、通常は個人の場合でもその公課証明を取り付けるに伴い、委任状の依頼人に印鑑をもらう際、認印で何も問題はないのですが、「法人の場合は実印」が必要と言われました。

私は一瞬、「ん?どういうこと」と思い、もう一度同じことを尋ねると同じ回答。

法人は実印が必要?

個人は認印で良いのに法人は実印、その理屈が分からず、それを伝えると、不慣れな様子の担当者が「そのような決まりになっておりますので」の一点張り、憤慨した私は「もう先方さんと会うことはない、依頼を受けているのは事実なのでお願いしたい」と伝えました。

すると、その担当者は渋々了解したのか、「後で構わないので実印を押した委任状を送ってください」と、ご丁寧に切手を貼った返信用封筒と一緒に委任状を渡してきました。

私は「分かりました。今出してくれるのであれば了解しました」と快く回答。

後日、懇意にしている司法書士の先生にその旨を伝えると、「それはおかしいですね。実印であれば印鑑証明書も添付する必要があるはず、それを要しないで実印と言うのであれば、その認印を実印と言って押し通せば良いのでは?実印かどうかの確認のしようがないでしょ。後で送らなかったからと言って追跡することもないだろうから無視して結構」とアドバイスを受け、かなり納得。

実印の取り扱い、非常に大事なのですが、確かに先生がおっしゃるとおり、公的書類には実印と印鑑証明書がセットになっていることは役所の人間であれば分かるはずです。

人事異動があったようで、資産税課ではあまり見かけない顔でしたので、よく分からなかったのかも。

でも本当にお役所の人というのは融通が利かないものですね。

ご注意ください。

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