正直に申告しないと高く付く?中古物件にはせいぜいご用心を!

トラブル・クレーム解決事例

今回は先日遭遇したトラブルの一件です。

中古を久々に取引したという事例がありましたが、それが買主側からクレームの一報が入りました。

そうなんです。中古はこれがあるから怖いのです。だから神様が「中古はやめとけ」と言っているのに...。

買主から連絡が入った内容がこれです。

買主:雨漏りがあったよ、せっかく夢見た家だったんやけど…。

私:え!?そうなんですね、どんな感じですか?

買主:クロスとボードを剝がしたら雨漏りがしていた

私:そうなんですね、大変でしたね

買主:何とかならない?

私:中古ですから、目に見えない瑕疵(欠陥)はあります。それを売主が認識していれば物件状況報告書という書類に´雨漏りを発見している´と記載するはずですが、今回はその記載がありません

買主:売主が嘘を付いていたとしたら?

私:明らかな嘘であれば別ですが、契約書には契約不適合責任は一切負わないになっております

買主:あー、そうだったね

それでいったん事は収まりました。

売主が嘘を付いていたら責任を負う?

はい、その通りです。

誰が見ても「嘘を付いているではないか?知っていてあえて言わなかったのは嘘を付いているのと同じ」ということになります。

ですので、我々不動産屋は脅してでも聞きます。「どっか悪いところありませんか?あとで高く付きますよ」と...。

それでも言わない売主の心境というのは私には分かりません。

「嘘を言うつもりはなかった」とはいえ、雨漏りを発見しているのに「発見していない」と申告するのは、これは明らかにウソです。小学生でもわかることです。

なんでもそうですね、ジャンク品がその例です。これは「商品そのものの性能を有していません」ということで、よくオークションとかで見かけます。

しかも「どこが悪くなっているのか分かりません、それを承知の上で購入してください」というもので、それを承知のうえで買主が落札する分は何も問題はありません。ノークレームノーリターンですから。

それを´ジャンク品´というのを隠し、「どこも問題はない」と偽って売る、これは良くありません。ある意味では詐欺罪が成立する可能性があります。

売主が嘘を付いていた決定的な証拠が!?

後日、買主から連絡がありました。下記のやり取りです。

買主:雨漏りを修理してもらおうとS建設に行ったら、「あ~、〇〇さんの物件ですね、1年前に雨漏りの修理の見積もりを受けていますよ」と言われたが、どういうことでしょう?

私:はい~~~?マジですか(絶句)...。いやー、それは聞いていませんし、そのような申告もなされていません

買主:それはまずいでしょ、S建設は見積書を売主に出していますよ、これは雨漏りを隠していた証拠でしょ?

私:はい、それはそうですね、事実関係をしっかり把握しないといけません。

買主:このように記録がはっきり残ってるんですよ、修理せずに放置、しかも申告なし、これは明らかにまずいでしょ?

私:はい、そのようになりますね

買主:私もこのことは偶然に知った、あくまでも修理をしたいため見積りを取ろうと思い、S建設は久留米に本社があるので、ちょうどいいと思って行ったらたまたま知った。大事にはしたくないので、誠意を見せるようカツキさんから言ってもらえませんか?

私:はい、わかりました。

契約不適合責任(瑕疵担保責任)は負えない契約でも負わないといけない事例

これは売主が修理見積をしたという明らかな証明があるため、まったく言い逃れができない事例です。

このことを売主に告げると、下記のやり取りです。

売主:S建設はそんなことを他人に言うのですか?(とまるで他人事...。完全に確信犯です。)

私:もう他人ではなく、物件の所有者に対してですので、個人情報でも何もないですよ、建物に関してですので、そりゃS建設も新しい買主に対して言うに決まっていますよ

売主:約1年前、S建設から「バルコニーに葉っぱか何かが詰まって水漏れしている」と聞いた

私:それだけでは修理の見積もりは出さないはずですよ

売主:それは私には分かりません

私:見積もりを出しているという事は修理が必要だから出しているのですよ、そのことを最初から言ってもらえれば良かったんですよ、今回は言い逃れができない状態です。アウトです。買主はそこまで牙をむいているわけではありません。これは「お金があるから払う、お金がないから払わない」という問題ではないです。まずは誠意を示すことが大事です。今のところ30万という請求がきています。

売主:それは無理です。

私:無理でも分割と言う手があります。買主が弁護士を立ててきたら手も足も出ません。30万どころではすみません、100万の可能性もあります。

売主:分かりました。また連絡します。

 

ということで、このように泥沼状態になる前に一言、「これはここが悪いのですよ」と言ってくれれば買主に告知ができていたわけです。

皆さん、ご注意ください。

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