その他

先日、ある土地を見つけ、「売物件」の看板を設置していた不動産会社が、日頃からとっても仲の良い知人が経営するS不動産だったため、そのY氏に連絡をして話を聞きました。

その際、かなりの訳あり物件であることが判明して衝撃を受けました。

このような土地です。

 

これ、土地が2区画あり、手前と奥です。手前の土地Aには立派な豪邸が建っており、奥が売土地Bになっています。

Bを購入した人が家を建てたいと思ったら当然ながらCの土地を通るわけです。通らないとBには行けません。

通常、通常ですよ。このように手前と奥に土地を2区画に切った場合、Cの所有権はBのものです。通常はですよ。（しつこい！）

土地の所有権が共有！？

ですが、なんと！このCの土地の所有権を、Aも10分の1持っているとの事です。

「ん．．．？」ってことは．．．。そうです。つまりCの土地はAとBとの共有地ということになります。

一般論からすれば、Bの土地が70坪も80坪もあるということであればそれで良いでしょう。駐車場を十分に確保することができるからです。

しかし、今回のBの土地、なんと40坪しかないのです。トホホ．．．。

ということはもうお分かりですねぇ。Cの土地をBが勝手に車を止めることはできないということです。共有ですから。

Aの許可がないとBが勝手にCを駐車場として使うことはできず、通ることしかできないということになります。

ではなぜこのような事態になったのか？そこが問題です。

売主が偏屈者だとこうなる？

はい、この土地は地主である個人が分筆して手前を先に売ったようです。奥だけ残して。

このような事はプロの分譲業者（不動産業者）であれば絶対にしません。後でトラブルになることが明白だからです。

そしてAの家をよく見ると合点がいきました。下記のような間取と予想されたからです。

 

どうですか？東側へ向いたリビング、玄関は南側（道路側）にありますので、別にCの土地の所有権をAが持つ必要はないわけですね。

これがCの土地を通らないと玄関に行けないのであればCの持ち分を少しでも持つ必要があります。Cの持ち分が無かったらAはCを通ることさえできないわけですから。でもちゃんと駐車場から普通に玄関に行けます。

単に目の前に「駐車させたくない」という嫌がらせ

生活の拠点となるのはリビングです。家族が一堂に集まるのはリビングだからです。

しかも広そうなリビング、その目の前に他人の車が駐車してウロウロされるというのが嫌だったのでしょう。

おそらく地主さんと結託して「少しでもCの持ち分を持っておけば目の前に車は停められない」ということを考えての嫌がらせ行為です。

しかし、この売主である地主さん、本当に奥の土地を売りたいのでしょうかねぇ？売る気があっての行為とはとても思えません。

「もう何年も売れていない」とのことでした。そりゃそうです。Bの土地は間取りが書きづらいし、駐車場が十分に確保されない広さだからです。

一般的な切り方としては、Aをもう少し狭く、Bを少し広くして、Bの駐車場を確保してあげる。それかAの間取の取り方として、南側にリビングと和室を持ってくれば良いだけの話だと思いませんか？

この事例も訳あり物件の一つ

誰も好き好んでこのような地主さんから買いたくないし、そして悪意に満ちたAさんが隣にいる土地です。無理して買う必要はありません。

これもいわく付き、訳あり物件の一つです。

訳ありというと、過去に殺人事件や自殺があったとかいう心理的瑕疵（欠陥）がありますが、この一件は現実的な瑕疵（欠陥）物件と言えます。

ある意味では、このような現実的欠陥がある物件、しかもその問題人物が隣に住んでいる物件というのが一番怖くて恐ろしいと思いませんか？

私なら絶対住みたくないし、知人やお客様が買おうとしていたら全力で止めます！

ま、お気を付け下さいませ。