不動産競売に手を出して失敗,転売目的はきつい,居住目的であればお得?
不動産の競売物件ってご存知でしょうか?
何らかの事情によって住宅ローンを支払えなくなった債務者が債権者から物件を差し押さえられ、国が強制的に
売却するというものです。
登記上の所有者は債務者の状態で変わりはないのですが、物件に担保が入っている以上、差し押さえ登記が入ってしまったら、「物件を売ってでもお金を払いなさいよ!」と、債務者としては債権者の言いなりになるしかありません。
ここでいう債権者とは銀行や金融機関がほとんどです。
昔は個人がお金を貸して抵当権を設定した例もたくさんありましたが、今は銀行関係が多いです。
何らかの事情でローンが払えないというのは様々な理由があり、
- 他の借金で首が回らなくなった
- 仕事をクビになって収入が無くなった
- その他の理由で夜逃げした
お金の事情以外の理由というのはあまり聞きませんが、債権者としては担保を取ってお金を貸しているわけですから、「売ってお金に換えてください!」と催促するのは当然のことです。
競売の前は任売?(任意売却)
仮にその所有者が悪びれることなく、まだノウノウと住んでいる場合、債権者は「任意売却で売ってお金に換えて払ってください」とこうなるわけですが、売れた金額が残金に満たない場合、その残金は分割して支払うという約束をすることになる訳です。
その債務者に支払い能力があるかどうかによって変わってきますので、実際にはどういう話になるのかは分かりません。
債務者が夜逃げしていなくなってしまい、連絡も取れなくなっ場合、そのほとんどが競売にかかります。
競売の申し立てが入ると、家庭裁判所側の執行官という人物が現地に立ち入り、写真を撮ったり、現地の状況等を確認します。
事前に内覧が出来ない競売物件
我々不動産業者はそういった情報をネット上や裁判所で閲覧したりして情報を得るわけですが、先日、市内の駅近
の程度の良い一戸建てが競売に出ていたので、勤務先の社長に「こんな物件が出ていますよ、〇〇万円位で売れ
るんじゃないですか?」と言うと、「よっしゃ!」ということで現地視察。
とても良い物件で1,800万前後で売却できそうな予想を見立て、リフォーム代金と利益を計算し、1,400万ほどで
入札を決意、期限までに保証金を振り込み、入札。その数週間後、開札と言う流れ。
私も代表も「いけるんじゃないか」と密かに期待して胸躍らせながら開札場へ入室。
結果は惨敗...。
待つこと数分、担当官が「5位から発表します、〇〇不動産、入札金額1,500万!」と。
ガックリ!!! ヒザから崩れ落ちました。
結局、落札額は1,750万程度でした。とても我々の手が出せる価格帯ではありませんでした。
部屋を出た両者、顔を見合わせながら、「これは不動産業者が代行している」と同じ意見でした。
転売目的である業者は利益を出す目的で入札に参加する訳ですので、大きなリスクを抱えないといけません。
その反面、居住目的であるエンドのお客様としては利益は要らないわけで、リフォーム代だけです。
それと、落札したのは個人ではなく業者でしたので、競売代行業者が手数料をお客様からもらって入札代行している可能性が大きいと思いました。
最近の競売状況、業者間では「あまり安く落ちないから旨味がないもんねぇ」と口を揃えて言います。
かなりショックを受けた状態で裁判所を後にした私でした。
というわけで、競売物件は最近、居住目的のお客様もネットから閲覧できますので、もし気になる物件がございましたらお気軽におっしゃって下さいね。
ご相談に応じます。