中古物件はどんなに欠陥があっても売主に責任はないのか?素朴な疑問…
弊社の現在の主な業務は´新築建売´を専門にご紹介させていただく不動産屋です。
「なんか安い中古物件探してよ~」と依頼を受けても、弊社では「新築であればいくらでもお探しいたしますが、中古探しはご勘弁願いたい」とこうなるわけです。
分かりにくいと思いますので、弊社の業務をおさらいします。
- 売りたい〇(新築〇、中古〇)
- 貸したい〇(新築〇、中古〇)
- 買いたい〇(新築〇、中古✕)
- 借りたい✕(新築✕、中古✕)
お分かりでしょうか?「中古を買いたい」という需要も沢山あるのになぜそれをしないのか?
中古はどこかしらの欠陥が存在するからです。
車の話になりますが、私は生まれてこの方、新車というものを買った経験がなく、中古車ばかりです。そのスパンは3年~7年といったところでしょうか。
購入時、車屋さんからは当然ながら「現状でのお渡し、保証はありません」と言われます。ついでに「いつ壊れるか分かりません。ノークレームノーリターンです」とこうきます。
中古を買うメリットは何?
中古車を例にしましたが、つまりは整備のプロが見ても欠陥というのを完全に見抜くことはできず、中古である以上、だから安いという価格以外に中古のメリットは一切ないのです。
それは家も同じで、中古車と比較すれば、そのパーツ数からすれば数十倍も数百倍もあるわけで、見えない部分での欠陥を見抜くことなど神様でもできません。
ですので、約10年以上経過した物件は、何かしらの欠陥があるのは当たり前と思って購入すべきです。
売主に欠陥を保証してもらう事はできるのか?
契約内容によっては、引き渡した後、発見した欠陥を保証してもらう事ができますが、一般的には10年以上経過した建物に関しては´売主は契約不適合責任は負わない契約のため・・・´という条項が入っています。
ですので、契約書にその特約条項が入っている場合、売主に保証してもらう事はできません。
どんなにひどい欠陥があったとしてもです。それでお互いが納得して契約書に署名押印をしている以上、契約は契約なのです。それ以上でもそれ以下でもありません。
稀にですが、売主さんによっては「この物件は絶対に欠陥がない事に自信がある」とおっしゃるお方がいらっしゃいますので、「それでは引渡後3カ月間だけお願いします」という契約もあり、それはそれで全然ありです。
それを買主に事前に伝えることにより買主は安心して購入することが可能ですし、その分高く、そして早く売れる可能性もあるわけです。
売主に状況報告はしてもらう?
物件状況報告書という書類があり、それには売主の直筆により、それまで住んでいた中での状況を正直に報告してもらいます。
例えば、
- 雨漏り
- シロアリ
- 建物の腐食等
- 設備の不具合等々
上記が主なものになりますが、あくまでも売主が認識している範囲内です。
その他、売主しか知り得ない状況まで報告してもらいます。
雨漏りがあるのであれば、それはそれで良いのです、素直に申告してもらうことが大前提です。
ウソや黙秘だけは絶対ダメです。誰が見てもウソや黙秘と分かるようなことを申告しなかったりすると後で高くつきます。
雨漏れは我々が天井を見上げれば分かります。しっかりと跡が付いています。その場合は「売主は雨漏れの事実を知っている」と記載します。
ではそれ以上調べるのか?、それは´目視程度´で良いとされています。
例えば外壁のコーキングの剥がれ、これは誰が見ても分かりますが、ではそれだけで雨漏りが発生しているかどうかなど、誰にも分かりません。
実際にそこに住んでいた売主さえも分からないことですので、これは見えない欠陥として免責となります。
これは買主にとっては非常に残念な事ではありますが、我々がどうこうできる問題ではなく、そのぶん補修費用が買主にかかってくるという事になります。それ相応のリスクを背負って中古物件を購入しないといけません。
新築にはトラブルがない?
新築も中古も人の手で作った以上、100%完全なものというのはなく、新築でもどこかしら欠陥はあります。クロスの剥がれだとか、ちょっとしたキズなど軽微なものです。
それは中古の比ではなく、何と言っても新築です。簡単に手直しできるものが多いため、その点ではまずトラブルは起きません。
お互い気持ちの良い取引ができます。ですので、弊社が探す場合は、取引がしやすい新築が一番です。
よく言われます。「中古でも良いので探してほしい」と。本音を言うなら、それが一番難しいのです。
私には新築取引が一番合っています。
新築をお探しであればぜひ当店までご一報を!