大手に依頼するメリット・デメリットは?お客様の奪い合いが起きる?

トラブル・クレーム解決事例

私は以前、某大手N株式会社の子会社であるN不動産という会社で働いていました。

N株式会社が超が付く大手であって、N不動産は特に大手ではございません。ただのグループ会社の一つにすぎず、吹けば飛ぶような会社です。

34歳のときに縁あって入社しましたが、私が宅建資格を取得したのは26歳時です。

ではその間の8年は何をしていたのか?はい、損害保険会社の調査の仕事をしていました。

主に交通事故の調査で、お互いの言い分が食い違ったり、どちらかが嘘をついて訳が分からなくなっている事案だったり、保険会社の調査部では手に負えない案件を請け負う仕事でした。

既に事が終わった後の人間の言い分と言うのはこうも違うものか?と。保身のためであればこうも人というのは平気で嘘を付くものなんだと思い知らされました。

こちらからの質問責めに対して怒り狂った当事者から「俺を疑っているのか!」と罵声を浴びせられたりすることは日常茶飯事でした。私はそのたびに「はい、疑っています。だから来ているんです」とビビりながら言っていました。

そんな仕事に約8年間従事し、念願(?)の不動産会社への就職でした。

最初は「不動産会社ってどうやって利益を上げているんだろう?」なんて事さえ分からず入社したもので、慶応出の上司から付きっ切りで仕事を教わっていました。

鳴りやまない査定依頼

そのNという会社、九州、いや全国においてもその企業名を知らない人はいないというほどの会社で、Nグループ全体で80数社もある巨大企業、当然ながら仕事に困るはずがありません。

久留米店の立ち上げ要員として配属された私は上司と常に行動、最初の2、3か月間で、物件の査定依頼が10~15件ほどあり、すべてにおいて媒介(売主からの依頼)を獲得し、すべてを成約させることができました。

それこそ電話が鳴りやまない状態が数カ月も続いたわけです。

そして2年ほど経過した頃、ある一人の同世代の経験者が入社することになり、店長を含めた3人体制となりました。

大手ならではのデメリット

人員が増えてくるとそれなりに活気が出てくるのは確かですが、それなりに問題も起きてくるのは必然とも言えます。

そうです。人間関係です。それに並行するものが社内営業です。

とにかく数字さえ上げておけば食べていける世界です。いわば人を蹴落としてでも売り上げさえ上げておけば食べていけるのです。

社内で嫌われようが何だろうがそんなこたぁお構いなしです。

しかしそれは一時的なものでそう長くは続かないものです。ほんの数年間は良かったとしても社内営業がうまくいっていなかったら居づらくなります。

ひいてはお客様の迷惑になることにもなります。

社内で嫌なことがあると、そのことを意識していなかったとしても、お客様に対して態度に出るんですね~これが。

1店舗に数名(3人~5名)の営業マンがいたとしたら担当者制になりますが、仲間意識は完全になくなり、孤立します。

いくら´大手だから安心´といえど、その中で働いている営業マンの質や程度はピンキリです。詐欺まがいの営業マンがいないとも限りません。

お客様の奪い合いが起きる?

担当者制になると、対お客様だけではなく、営業マン同士のいがみ合いというのがしばしば起こってきます。

実際に起きたことですが、ある日、私が1人で事務作業を行っていた際、ご夫婦が来店されたので、私は接客にあたりました。当然のことです。

10分くらいお客様の要望を聞き取りしている最中、外出していた1人の営業マンAさんが帰社しました。

そのAさんは軽くこちらを見てどのようなお客様が来店されているのかを確認したようです。

まもなく聞き取りが終わり、お客様を見送った私は自分の席に着こうとした際、そのAさんが凄い剣幕で「さっきの人、私のお客さんですよ!」と言ってきました。以下がやり取りです。

私:はい?でも急に来店されたので私が接客しましたよ。

A:なんで私に連絡しないんですか?

私:はい!?いつどのタイミングで連絡するのですか?お客さんが来店されたんですよ、しかもなぜAさんに連絡の必要があるんですか?

A:あれは私のお客様ですよ、最初にお客さんに聞くのが筋でしょう?

私:はぁ?では百歩譲ってAさんのお客さんだったとしても最初に聞くというのはおかしくないですか?別に「Aさんいますか?」と言われて来店されたわけではありませんよ。

A:それだったら最初に誰が担当かを聞かないといけないのではないのでしょうか?

私:一方的な相談内容だったので、話を聞いたまでですよ。なんで私がそこまで言われなければならないのでしょうか?それであればAさんが日頃から連絡を取り合っていれば良かっただけの話ではないのでしょうか?そこまでの人間関係が取れていなかっただけのことではないのでしょうか?

A:それでも担当を聞いてすぐに私に連絡するのが普通じゃないでしょうか?

私:「お客さんを待たせろ」と言っているのでしょうか?

A:はい、私のお客さんですからね。

私:・・・

歩合給制度はこれが実態

不動産業界だけではなく、固定給+歩合給制の業界では上記のような社内トラブルというのはごく普通にあるのではないでしょうか?

お客様を獲った獲られたという、正直、売主様、買主様からすればど~~~でも良い話です。

このようなどうでも良い問題をもしですよ、買主様に連絡して「Aさんと私とどっちが良いでしょうか?」と聞こうものなら買主さんはどう思われると思いますか?

ですがこれが実態なのです。1店舗に2人以上在籍している会社であれば、裏では間違いなくこのような問題が起きています。

すると、お客様のために行っている仕事がおろそかになるのは必然です。

ちなみにこのAさん、今でもまったく出世はしていませんが、今でも頑張っておられるみたいです。超ジャイアン系です。私はジャイアン系が苦手です。得意な人っていませんね!(笑)

同じ会社ではもう絶対仕事をしたくない相手です。

でもこのAさん、癖は強いですが、面倒見は良くて何かの時には助けてもらっていて感謝しています。

ま、ご注意ください。

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