敷金トラブル,今では有り得ない原状回復費用が強制的にあった実体験の話
私は新婚当初、2LDKの木造2階建てのボロ物件を借りて住んでいました。
地方とはいえ、とにかく環境が悪く、今では人口減少区域に指定されている街です。
今でも言われるのは「あぁあそこねぇ…」と沈黙されるような場所です。
カツキ事務所は長門石にありますが、長門石は意外に人気が高く、それがゆえに少し離れたところになると、一気に土地の価格が3分の1や4分の1になるような場所です。
なので、長門石で探しても買えなかった人が買うような地域です。
その地域の入り込んだ住宅街にひっそりと佇むボロアパート、そのときは家賃の安さに魅かれて入居したものの、元々は山だったところ、そこを切り開いて出来た住宅街ですので、あらゆるところに雑草が生えまくっていました。
なので、カメムシや蚊などが異常に多かったです。
敷金2か月分が丸々帰ってこなかった?
子供が生まれ、数ヶ月して実家に引っ越したため、実際に住んだのはちょうど1年くらいだったと思います。
比較的キレイ好きな私(?)、妻も割と掃除はするほうでしたので、特に過失などで汚したり壊したりした箇所もなく、1年しか住んでいなかったものですから、当然、退去時には敷金は全額戻ってくるものと思っていました。
しかし、16~17年前ですので、今のように原状回復のガイドラインという法整備もあまり整っておらず、敷金トラブルもまだ多かった時でした。
管理会社に退去の連絡を申し出て、「立会いが必要であれば立会いします」とぶっきらぼうな対応、私も仕事が忙しく面倒な部分もあったため、「何も汚したりしていないため立会いは結構です」と答えました。
そして、数日後、1通の封書が管理会社から届き、愕然としました。
内容は「畳交換代金2部屋分で8万円を敷金から差し引かせていただきます」とのこと。
私は´はぁ?´と思いました。何も汚れていないにもかかわらずその文面、直ぐに携帯から管理会社に連絡、「あのう、1年しか住んでおらず、まったく汚れてもいないのですが、どういうことですか?」と。
すると、「汚損があるなしにかかわらず、原状回復費用として頂いております」との一点張り。
上乗せされた費用を無断で敷引き
それにしても高い価格だったため、頭で計算しました。
2室は双方とも和室、8畳+6畳=計14畳ですので、1枚あたりの表替え分の費用を4,000円と高く見積もっても4,000円×14畳=56,000円です。
私はそのことを伝えると、「契約書にも敷金から原状回復費用を差し引いての返還と謳っています」とかなりの棒読みで対応され、私は怒る気力もなくなりました。
今では原状回復のガイドラインが厳しくなり、このようなことも無くなりましたが、これが当時では常識だったようで、泣き寝入りする借主がとても多かったようですね。
「あぁ言えばこう言う」がまかり通っていても、トラブルが多くなればなるほど、その数が力となり法律がようやく追い付いてくる。まさに後手後手ですね。
なので、それが今でも「不動産屋は質が悪いのが多い」と言われる所以なのでしょうね。
皆さん、気を付けましょうね。