賃料相場を無視した部屋探しは無意味?掘り出し物はないのが現実!?
前職はとても立地の良い場所にあり、それこそ大学が近く、コンビニも目の前にあるため、人の出入りが頻繁で、道行く人が多いのなんの。
それでいて来店客がの少なさには結構驚きました。場所の認知度はあってもそれとこれとは別、ということなんでしょう。
つまり、皆様、不動産に用事なんて普通はないんです。悲しい事に...。
飛び込み訪問客の理由は
ですが、たま~に突然の来店、というのはありました。ですが、
- 他店で邪険な扱いをされた
- 他店で審査に落とされた
- 担当した営業マンが横着だった等々
つまり、どこかでダメだったから来店した、という理由のお客様が結構多かったです。
ですが、結局はとどのつまり、不動産会社と言うのは一つの情報(物件)を共有している場合が多いため、出てくる物件は同じだったりします。
「あぁそれね。さっき見せてもらった、他の物件な~い?」というように平気で言われます。
それはそれで「じゃあ取って置きのやつを」となればいいのですが、そうならない場合がほとんどです。
掘り出し物の物件は無い
ある日、一人の50代の女性が来店され、「とにかく今の家を出たいので2LDKで3.5万から4万でない?仕事で普通は抜け出せないが、時間がたまたま空いたのできた」という内容で突撃訪問がありました。
私は「なかなか難しいですが、頑張って探します」と答え、ありとあらゆる手段を用いて探しましたが、賃貸の相場として、10年~25年の物件が多く、その平均的な家賃は1㎡あたり1,000円弱です。
2LDKの平均面積が55㎡ですので、どんなに安くても共益費込みで4万後半にはなります。
それを説明すると、「古くてもいいので」とおっしゃるので、「それならあります」ということで、荒木町にある物件でスーパー、コンビニが目の前にあり、駅も徒歩5分、居酒屋やコインランドリーもあり、これ以上ないという好立地で3DKで4.2万という格安物件を紹介しました。
内心´リフォームも完璧だし、これは決まるだろ´と思い、「もうこれ以上の物件はないですよ」と促し、「じゃあ
とりあえず見に行こう」と言われました。
私はその´とりあえず´という言葉が妙に引っかかりましたが、内覧してもらえば良いのが分かると思い、案内しました。
´絶対気に入るだろうなぁ´と思い鍵を空け、見てもらうと、何だか様子がおかしい。どうも気に入っていない様子。
私は「どうでしょうか?」と尋ねると、「う~ん、う~ん」とうなずくばかり、「何か問題ありますか?」と尋ねると、また、「う~ん、全体的に古いね、ウォシュレットもないし、和室が二間だし」と。
安い物件は古いのが当然
私は「はい、古いですよ。建物自体の古さは変えようがないです。築30年以上経過した建物ですので、その頃は和室が当たり前の時代です。和室もなかなかいいですよ。寝転がれます。そしてこれだけキレイにしていますし、ウォシュレットも取り付け可能ですよ、4万前後でこれだけ条件が揃った物件はないです」
と説明すると、「う~ん、古いもんね」とまた同じ文言、´古くてもいいって言ったじゃん´と思いながらも、「掘り出し物というのはなかなかありません、また探しましょう」と伝えてお別れしました。
何とも後味が悪く、私の聞き取り方が悪かったのか、お客様のニーズに応えられなかった自分が悪いと仕切りに反省した案内でした。
物件探しに冷やかしは付き物
- 仕事を抜け出してたまたまきた
- あまりにも相場とかけ離れた予算賃料
- とりあえず見る
という言葉の端々から考えられるのは、あまり本気度が伝わってこない様子。そこから考えられるのは´冷やかし´といえば冷やかしなのかもしれませんが、それをお客様のせいにするのは営業マンとして失格です。
そういったお客様にも真摯に対応するのが営業マンとしての使命だとも思っております。そこから広がって紹介などにつながる可能性だってある訳ですからね。
こういうこともよくあるというお話でした。