滅失登記は自分でしても良い事をご存知でした?ややこしい案件もありますよ
先日契約が終わった案件で、その買主は知り合いだったため、ある内容について、聞いておきながら聞かないふりをしていたのですが、どうも融資が絡むため、そうはいかない様相を呈してきましたので、仕方なく聞くことになりました。(笑)
その内容とは、かなり古い家が付いた土地の取引だったのですが、その家が建つ以前にも2棟の建物が建っていたようで、双方とも滅失登記がなされていないとのことです。
滅失登記忘れは罰則あり?
一応、法律上では解体後1か月以内に滅失登記をしないといけない事になっており、これを怠った場合、10万以下の過料に処す!ともなっているようです。怖いですねぇ。
しかし、それがいつできた法律かは知りませんが、大昔の建物は火事などによって焼けてしまったり、勝手に壊してそのままにしているケースというのは結構多いものです。
登記上で残っているというだけで、何ら差し障りがないようにも思えますが、誰が口を出してくるのかと言うと、融資先である銀行です。
現実的に物件もなく、課税もされていないとなるのであれば、それで良いようにも思えますが、銀行と言うのは堅
物なんでしょうね。
結構高額な滅失登記
そこで、この手の専門家である土地家屋調査士に見積もり依頼をしたところ、なんと13万円!というじゃないですか!?
私は冗談だろう?と思い調査士の先生に問い合わせたところ、「2棟の所有者は別々の名義で、しかも双方が亡くなっているため、書類の手配が大変」とのこと。
確かにそうかもしれませんが、13万とは…。
というわけで、今回の売主は当時の従業員の身内と言うこともあり、私が立ち上がることに!
スムーズにいかない滅失登記も
しかし、それがスムーズに事が運ばない状況下になりました。というのが、相続人である売主は福岡市内に住んでいて、滅失対象者である登記名義人(既に亡くなっている)は筑後市内、となるため、それぞれの法務局、市役所等に電話をかけまくりました。
そして、出てきた答えがどっこもバラバラ…。しかも終いには「普通はこの手の質問は電話では難しく、予約後に来庁なさってください」というもの。
「はぁ!?」ということで、仕方なく久留米法務局に登記相談の予約を入れて訪問、事情を説明すると、亡くなっている2名の本籍地を調べて、その本籍がある役所から戸籍謄本が必要、4代まで遡るとなると、途中で途切れて
つながらなくなる可能性があるとのこと。
う~ん、どうしようか、と悩んでいる暇もなく、売主から聞き取り調査、本籍地がある筑後市役所にて戸籍謄本を
入手!
最期には何とかなる
最後は相続人である売主の戸籍と住民票を郵送で入手、結局、1週間ほどで書類がすべて揃い、法務局に提出してようやく終了しました。
このように最後はどうにかなるという気持ちで臨めば「なんとかなるさぁ~」で終わります。
ここで一つ注意、住所変更登記と同じく、滅失登記は登記の中でも案外簡単なものなだけに、本人以外でも申請することは可能です。しかし、仲介人が´報酬´をもらって行うことは禁止されています。
じゃあ報酬をもらわなかったら良いのか?ということですが、そこは案外グレーゾーン的なところがあり、調査士会という機関から苦情が出る可能性がありますので、ほどほどにしたほうが良さそうですね。