店舗仲介のトラブル事例,大家さん,気を付けたがよいです,原則現状渡し

トラブル・クレーム解決事例

先日、大家さんに一言物申しあげたいことがありました。

ある飲食店を経営しているお客様より「今度、多店舗展開を考えているので、店を探してほしい、居抜きが一番良い」との依頼を受けました。

居抜きとは、設備や備品、商品、内装等をそのままにした状態で、同じ業種であれば直ぐにでも営業ができるような状態で引き渡すことをいいますので、借主側にとってはそれほど良い条件はありません。

居抜き物件は保証金が必要?

場合によっては保証金の名目でオーナーさんに一定の設備費用として支払わなければならないケースがあります。

すぐに良い物件が見つかり、ロードサイド沿いの結構交通量が多い好立地でした。
もともと焼き肉屋だった店、座敷をメインにしていたため、内装費用が大分かかるということでしたが、厨房機器もそろっていたため、直ぐに気に入ってくれたお客様、前向きに検討していただきました。

そして、「もう次には決めるよ」という内諾をもらったうえで、「再度、内装工事の見積もりを取りたいので、内覧をしたい」とのことでしたので、数日後に再案内、そしたらなんと厨房内に変化が...。

あるはずのものが無くなっている?

「冷蔵庫がない!」、たしかに存在した冷蔵庫、使用可能だったかどうかは不明でしたが、もし壊れていたのであれば「修理して使う予定だった」とのことでしたので、大家さんに確認、すると驚きの回答が...。

オーナー「あ~~それは壊れて使えなかったので処分しました」
私「修理して使う予定だったみたいですが」
オーナー「そんなことおっしゃられても...。どうせ使えなかったので処分しました。本当ですよ」
私「...。」(何も言えない私)

そんなやり取りをした後、お客様にそのことを伝えると「一言おっしゃって頂けたらよかったのに、何だかなぁ」と...。

不信感満載のお客様に、「厨房機器も期待されていたんですよね?」と聞くと、「うん、内装にかなり費用がかかるので、少しでもかからないようにと思っていたが」と。

トホホ...。

確かにそうです。一言おっしゃていただければよかったことですが、大家さんの勝手な判断で処分したとのことで、私も納得はできませんでしたが、処分してしまったものは仕方なし。

後日、お客様からお断りの連絡があったのは言うまでもありません。

原則は案内時の状態、もしくは話し合いが必要

今回の事例が何を意味するのか、非常に大事なことです。

もしこれが店舗ではなく住居用のアパートだったらどうか、と置き換えて考えると、

極端に言えば、
内覧時、ウォシュレットが付いていた(動作確認不明です。というか確認する人はいないでしょう)、これは主従の関係にありますので、付いていて当然です。

これを大家さんが勝手に外して処分した。これはよくありません。

事前に処分する、ということはよくありますよ、「エアコンは壊れているからこっちで外しておくよ」とおっしゃる売主さんや貸主さんが。

ですが事前にその一言があります。

もちろん、備品と設備の違いはありますが、内覧時にあったものを後で大家さんが勝手に処分をするというのは現状を変える行為にあたりますので、法律どうこうではなく、「社会通念上」という問題がそこにあります。

ようは「勝手に」ということだと思います。勝手に処分する意味が分かりません。

「自分の物だから何をしても良いだろう」では話は通りません。処分するにもお金がかかる時代です。

それを何もわざわざ処分する必要がないのに処分するというのは少々悪意を感じさせます。

「ひょっとしたら売ったんでは?」
「自分で使うために?」、いろんな疑念を感じさせます。これはお客さんがおっしゃるとおり、不信感が湧きます。

一言、「使えないようなので処分してよいか?」と聞いて了解を得れば何もなかったことです。

売主さん、家主さん、十分ご注意ください。

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カツキ不動産コンサル
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