言った言わないの揉め事,事前調査は重要,特に金銭の授受に関しては最重要

トラブル・クレーム解決事例

先日、投資用の物件の取引がありました。というよりまだ申し込みの段階ですが。

そして、仲介業者同士の「言った言わない」のトラブル話になりました。共同仲介というものです。

「共同仲介とは何?」に関しては以前にも書きましたが、こちらをご参照ください。

投資用物件は高額

投資用物件というのはその名の通り、投資家が利益を追求するために財産を保有するために持つ物件のことで、もちろん、税制面での優遇を受けるために購入する目的もありますが。

当社が売主様から預かっていた物件、結構高額でしたが、ある仲介業者からの連絡で「当社にお客様がいるので紹介させてほしい」とのことでしたので、当然「いいですよ」となりました。

数日後、物件を見た仲介業者とお客様、その場合は通常仲介した不動産屋から連絡があります。

「購入申し込みを入れたい。融資を受けるため、必要な書類をFAXで送ってほしい」とのことで、口頭で聞き取りをしてそれをメモしました。

それは簡単なもので、入居されている方の賃貸借契約書の写しと、固定資産税の税額、浄化槽の年間メンテナンス費用が大体いくら位か調べてほしいとのことでした。

当然、我々はあくまでも売主さんと買主さんとの間に入る仲介業者、しかも当社は物件を管理している立場ですので、取引が円滑に進むように最大限協力しながら事を進めていくわけで、必要書類については売主側についている我々が揃えることに。

田舎(地方)は下水ではなく浄化槽が多い

その物件は結構田舎の物件でしたので、下水道が通っていない場所でした。なので浄化槽です。

そうなると年に何回かのメンテナンス費用がかかってきます。

その費用は入居者からもらうものではなく、大家さんが払うべきもので、管理会社である当社はその手配から何からも行っていました。

その時点ではいくらかかるか分からなかったので、「この件に関しては分かり次第、メールかFAXでお知らせします」と伝えました。

それから1~2週間後、無事ローンが下りたとのことで、売主様からの承諾も得られ、役所調査、現場調査を行い、後は書類を作るだけ。

その時点で、事前に言われていた賃貸借契約書の写しと、浄化槽のメンテナンス費用を調べて双方をメールで送信しました。

驚きの責任追及!

すると、すぐに仲介業者から連絡があり、担当者は会社の社長、少し声色がおかしい様子、「契約書の写し、ありがとうございました。しかし、浄化槽ですかここは?それは物件資料に書いていませんでしたね、この年間15万の費用というのは聞いていないのですが?」とのこと。

私は、すぐさま反応、「はい?いやいや、それは事前に打ち合わせをした際、聞かれていましたよね。だから調べてお伝えしたのですがね」と。

社長は「物件資料に設備を記載する欄がありますが、そこに浄化槽との記載がなかったんで、記載しないと分からないですよ」とのこと、

私はまた反応、「あぁそうですか、それは記載漏れかもしれません。それについては申し訳ありませんが、それがどうこうという前に『浄化槽』だということは認識されていましたよね?メンテナンスの費用がいくらかを聞かれていたではありませんか?」というと、なんと驚きの返答が!

「まぁ、いまさら言った言わないの話をしても仕方ありませんから。この15万どうにかなりませんかね。たとえば入居者負担とか、それか、現在の売主負担とか」

私はまたまた反応、「え~~!それは出来かねますよ。これまで入居者はそのような名目で払っていませんから。しかも現売主様に負担だなんて、それは無茶をおっしゃらないでください。かかるものはかかるで投資家の方におっしゃたらどうでしょうか?」というと、

「最初から物件資料に記載されていて、引き継ぎ事項として、条件付きみたいに書かれていればよかったんですけどねぇ」とかなり嫌味を言われました。

仲介同士の揉め事は見苦しい

私は露骨には言わなかったのですが、腹の中では´あなたが投資家に浄化槽費用が掛かることを言い忘れていただけのこったろう!その自分の責任を全部こっちのせいにするなよ!´と喉元まで出ていたことをグッとこらえて、

「ま、仲介同士でごちゃごちゃ言い合ってもしょうがないため、社長のお力で何とかうまい具合に説得してみてください」と言いました。

これからどうなるやら。でもそのような費用の細かいところまですべて把握したうえで資料を作ることというのは滅多にないことで、そこまで細かく掲載している不動産屋というのは正直ありません。私はそう断言します。

ですが、掛かる費用の詳細までは資料に記載しなかったとしても、口頭でも良いので、ちゃんと「こういうのがかかります」ということは最低でも把握しておく必要があると反省した出来事でした。

こういったことは、大なり小なりよくあることです。

不動産業者の方、それと投資家でこれから物件を買おうとしている方、十分ご注意ください...。

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