建物を支える重要な基礎,単なる基礎と違う特殊構造があるの知ってました?
今日は珍しく建築のお話です。たまには知っていることを書きたいと思っています。
我々不動産屋は一般の方からしてみれば、一応「知識人」として慕われている以上、「建築の事は何も知らないので、建築家に聞いてください」ではNGです。
なので、建築に関してもある程度知っていることをお話していきたいと思います。知らないことは知らないので書けませんが。
ベタ基礎が一般的?
まずは基礎のお話で、現在の一般住宅は、木造であろうと鉄筋、鉄骨であろうと、べた基礎というのが一般的です。
今回は基礎に関することで、地盤がどうこうとは別のお話です。
べた基礎とは...。
昔多かった「布基礎」に比べると基礎面積が非常に大きく、建物の荷重を基礎全体で分散して受け止めることができるからです。
コンクリートを全面に打ちますので当然と言えば当然のことです。
地盤へも荷重を分散させることができますので、より強固な基礎となります。
ベタ基礎のメリットは?
べた基礎のメリットとしては、他にもあります。
- シロアリが地中から床下へ侵入するのを防ぐことができること
- 地面からあがってくる湿気を防ぎますので、コンクリートがあるためにこれらを防ぐことができるのです。このべた基礎はほとんどの木造住宅で採用されており、もっともポピュラーなものだと言えますね。基礎の深さについてですが、高低差を埋めるための深基礎というのがあり、下の写真でもお分かりの通り、北側道路の場合によく採用されるもので、南側道路でも敷地の奥行きが狭くて高低差がある場合には採用されます。
これは見た目では一般の方が見ても少し分かりにくいものですが、土地に高低差がある場合に用いられるもので、それもまた狭い土地に見受けられる方式です。
知らなくても生きていけますが、これから家を建てようとされる方、土地を見る際に知っていて損はないと思います。
建物の配置の問題がある
元々の土地が道路から50㎝や1mくらいある土地があったとします。
そのような場合はどうするか、いたってシンプルですが、建物の配置はなるべく北側に寄せますので、駐車場分スペース分は道路と同じ高さに切ります。これは当たり前ですね。
なぜ北側に寄せるのか?これもイメージしてもらいたいのですが、お日様が昇る南側には庭を広く取りたいからです。
そうなると必然的に北側に目一杯建物を寄せることになり、これは50坪~70坪程度のちょうど良い広さの土地の場合が前提となります。
100坪以上ある広い土地はそんなことは気にすることはありません。
そこまで北側に目一杯建物を建て無くても十分庭の広さが取れるからです。
そこで北側に目一杯建物の配置を決めた場合に問題となるのが高低差です。
高低差を埋めるために基礎を深くする
高低差が何もないフラットの場合は何も気にすることはなく基礎を作ればいいのですが、高低差があった場合どうなるか?
この大事な部分を注文住宅の営業マンは意外に知らない場合が多いです。
道路と土地の高低差が50mから1m、場合によって2mあった場合、その高さ分は駐車場スペースとして土を削るわけですから、削った場所に残った壁の部分をどうやって土留めするのか、これはブロックではかなり弱いです。
建物の外壁+基礎部分が迫ってきている訳ですから、土圧がかかって数十トンもある超重量物の建物を支えることができないからです。
では何で支えるのか?、答えは簡単です。基礎を深くすればよいだけの事です。それが深基礎です。
上の写真でお分かりの通り、普段はあまり気にしていないので見かけないとは思いますが、普通の住宅街でも結構見られます。
基礎が深くなっている分、玄関に上がるためのポーチ階段があります。階段がないと上れませんから、これも当然です。
建築の営業マンによって家は変わってくる
家の建築とは全く無縁の方に取っては何も気にすることのない話ですが、これから家を建てようとされるとされる方にとっては、営業マンが知らないことでもある程度は知っておくことによって「これはどうなるんですか?」と素朴な質問を何気にすることができます。
そこで営業マンがピンとくる人であれば問題ありませんが、「あーそれはわかりませんので」なんて回答する営業マンは気を付けたほうが良いですね。
「この土地は北側道路で高低差がありますので、その場合は南側に庭をたくさんとらないと日が当たりませんので、目一杯北側に建物を寄せます。となると駐車場を削った場合、基礎をどうするかが問題となります。ブロックで安く設置するか、基礎を高くするか、それは建築士と相談します。深基礎の場合は少し割高になります」という回答だったら、その営業マンはかなり優秀です。
ちょっと長くなりましたが、一生涯に一度と言われる家を建てる訳ですから、信頼できる、且つ、施主さんに寄り添って親身に考えてくれる営業マンと付き合いたいところですね。
土地を見る目は養っている不動産屋ですので、建築の深い知識はあまり分かりませんが、これくらいのアドバイスはできますので、お気軽に相談を。