民泊希望が総会で禁止事項に!?購入を断念したトラブル事例
先日、ある会社様より問い合わせがあり、「御社が売りに出されている分譲マンションで民泊を考えている、管理規約に禁止事項の記載があれば無理なので確認をお願いしたい」との内容でした。
近年、外国人観光客が急増しており、それに伴い宿泊施設が不足するようになり、アパート・マンションを含めた「民泊ビジネス」という言葉が出てきました。
確かに都会にあるマンションですので、立地は久留米とは全く違う利便性抜群の地域。
しかし、そのぶん少々値が張る物件だったため、「なっかなか売れないなぁ、やっぱ高いんだろうなぁ」と思っていた矢先の問い合わせ、「よっしゃ!」と心の中でガッツポーズをしながら、まずは売主に確認すると、
民泊可能かどうかを売主確認すると…。
その時点ではもちろん空室で、売主は近所に住んでいるとのこと、管理会社よりも、まずは売主確認と思い連絡すると、「先日の総会で民泊禁止との判断が出ているので無理」と言われたため、「規約はお持ちでしょうか?」と告げると、「持ってはいるが先日禁止通達が出たので反映されていないよ」とのこと。
私は非常に困り果て、´ここで管理会社に問い合わせても無理というに決まっている´と思い、買主側に連絡。
買主側に民泊禁止連絡をすると。驚愕の答えが…。
上記旨を買主に素直に伝えると、なんと「あぁそうですか、ですが規約に記載されていないのであれば規約違反にはならないので、買い付け入れますよ」との答えがあり、私は´でもそれはどうだろう?´と思いながらも申し込みを一応受諾しました。
売主側に再度連絡し、「売主さんや我々仲介業者に火の粉が被らなければいいのでは」と伝え、了解を得ました。
管理会社からの重要事項にかかる報告書が問題だった
そして、書類作成の準備に取り掛かり、まずは分譲マンションの取引の場合、「重要事項に係る調査報告書」なる書類を管理会社から取り寄せなければなりません。
私も一応の申し込みではありましたが、喜び勇んで「契約をいつしましょうか?」な~んて呑気なことを言いながら、買主さんも報告書がくるまでは少し心配だったようで、「万が一、報告書に問題があればいけないので、それを確認して判断させてほしい」とのことでした。
そして、数日後、送られてきた報告書を見て愕然、
「民泊禁止の管理規約決定」の文字が!
しかも、その条文が2行ほど出来上がっており、一緒に取り付けた管理規約には書かれていませんでしたが、報告書には「2行の条文を管理規約に貼付してください」とありました。
ガックリ...。
まぁそりゃそうですよね。総会で決まったことですからね。大失敗でした。
結局、今回の話はご破算となりました…。
今回の反省点
今回、正式な報告書が届くまでに管理会社に確認しておけば良かったのですが、正直、民泊というのは私も初めてのことでしたので、それが総会と管理規約との関係に直結するとは思わず、「まさか書いていないだろう」と思い込んでいたのがいけませんでした。
最近では市や県の条例で、外国人増加に伴う宿泊先の確保が謳われており、民泊推進のため、有名どころで言うとAirbnb(エアビーアンドビー)などの民泊仲介サイトが立ち上がっております。
ですが、政府の対策が今年、民泊新法を国会に提出し、法案が可決されましたが、では実際にその制度を本当に理解しているのかどうかが問題です。
どんなに制度を緩和させても、素人が無許可で違法営業したり、近隣とのトラブルが絶えなかったりと、クレーム・トラブルが一向に改善されず、一体誰がどうすればスムーズな民泊業をできるのか、その定義が曖昧だったりしますね。
これから外国人は増える一方、早期対策を要す
外国人が年々増加傾向にある日本、2020年の東京オリンピックへ向け、より一層の外国人増加が見込まれます。
それに伴う宿泊施設が足りているのか?というと全く足りていないのが現状であり、それに合わせた何か新しいビジネスモデルができればよいのですが。
一刻も早い対策が必要と思われます。