建物3大瑕疵?見えないから厄介,賃貸アパートの白蟻はどうやって発見する?
白蟻被害、とても深刻な瑕疵です。大きなトラブルに発展する可能性が大きいものです。
瑕疵=欠陥
住宅の3大瑕疵を上げるなら、
・雨漏り
・シロアリ
・給排水設備の故障
4番手を敢えて上げるのであれば
・木部の腐食 です。
何とも厄介な瑕疵ですが、すべて共通して言えるのが、「見えないもの」、なので住んでいる人が「知らなかった」だからです。
見えていれば、最初から売主さんが「こうなってますよ、しかし現状渡しですよ」と言って買主さんが「分かりました」と納得すれば何にも問題はなく、後で売主さんが責任を負わされることはありません。
見えない部分に関しての欠陥、それが不動産業界では「瑕疵」と言います。
知っていて告げなかったら売主は責任を問われる?
では知っていて黙っていたらどうなるのか?
これは´知っていた´という客観的事実があれば、それは瑕疵ではなく、嘘をついていたということで所有者(売主)は責任を負うことになります。
嘘=悪意です。知っていたのに告げなかったという行為自体が悪意とみなされるので、見えない瑕疵にはあたらないということです。
よくある言葉で「悪意はなかった」という一般的な悪意と、ここでいう悪意とはちょっと意味合いが違ってきます。
物件売却前に家族会議か何かで「黙っておこう、絶対にバレないから」と思われる方がいらっしゃいます。
ではこの「言おうか言わないか」の判断は誰がするのか?これは当事者ではありません。
ここで言う当事者とは売主さんや売主の代理人さんです。我々不動産屋は第三者にあたりますので、当時者ではありません。
「告げるかどうか」の判断は仲介の立場にいる不動産業者
まずは我々みたいな経験豊富な不動産業者にご相談いただきたいと思います。
客観的に見てどうなのかというのを判断します。
言っておかないと絶対後でトラブルになる事例をたくさん見ていますので、その経験値をもとに判断することが可能です。
我々はトラブルを未然に防止するために存在するものであって、そこにも我々業者の存在意義、存在価値があるものと思っています。
売主さん側だけで勝手に判断して「黙っておこう」となると、後でとんでもないトラブルに発展する可能性もあります。
シロアリ被害なんかは見てわかるものではありませんが、見る人が見たら一発で分かります。
「あ~これシロアリね」ってな感じで...。
物件状況報告書への記載が重要
不動産取引の書類の中で「物件状況報告書」なるものがあります。
これは売主様が知っていることをすべて書き込んでもらうもので、「知っている」「知らない」とどちらかに〇印をつけるもので、これがとっても重要なんですね。
その中に必ずあります。上記3大瑕疵の内容が。知っているか知らないかに〇をつけるようになっており、原則的には売主さんの直筆によって記入をお願いします。
これを売主さんがシロアリ被害を「知らない」に〇を付けたとしましょう。そうなると、買主さんにそのことを説明することになります。
我々仲介業者はその家に住んでいないわけで、シロアリを見つけようにも見つけようがなく、床下に潜ってまで調査をする義務というのはありません。
ですので、それまで住んでいた売主さんに聞くしかないわけですね。
そこで、「知らない」に〇を付けたとしても、「ちょっと目を配れば気づいたはず」と客観的に後で判断された場合、これは売主さんに賠償責任が及びます。
この「ちょっと」というのがとても重要なことです。抽象的な表現でもありますが。
シロアリの発生源は?
シロアリは高温多湿のところに住みつき、大量発生して被害を拡大させ、最後には家を食い潰して倒壊させる恐ろしいものです。
特に木造アパートなんかは大家さんにとってみては、入居者の家に入り込めないため、被害がどこであっているか気付かないことが多く、入居者自身も「自分の物じゃないから、生活に支障がなければ問題ない」と、定期点検を怠ります。それが通常です。
実際にあったことですが、ベランダを支える柱がシロアリ被害でボロボロになっていることに気付かず、ある日突然何かの拍子でベランダごと倒壊したというものです。
そりゃ入居者も大家さんもそこまでは分かりませんよね。ではそんな時にだれが責任を取るのか?という話になってきますが、登場人物は4者です。
大家
入居者
管理会社
建設会社
それぞれが「私は知らない」といって責任のなすり合いになります。そうなるとガチャガチャになってきます。
なので、少しでも誰かが気付いたときに、その気付いた人が「ん?なんかおかしいのでは?」と疑問を抱いて管理会社や大家さんに一報を入れるべきだと思います。
その後の最終的な判断はやはり大家さんということになると思いますが、第一段階での初動対応というのは非常に大事になってきます。
「見てみないフリ」というのが一番まずい結果になる恐れがありますので、一番気付きやすいのは賃貸であればご入居者様、売買であれば売主様、ご協力をお願いします。