賃貸の仲介料を1か月分頂く時は承諾が必要?当然ではないことをご存知?
賃貸借契約時の仲介手数料について、あまり知られていない事実をちょっとだけお話をしたいと思います。
仲介手数料は成功報酬
そもそも仲介手数料というのは、貸主と借主との間に入った不動産仲介業者が成功報酬ということで頂くもので、
その名の通り、成功しなければ報酬を頂くわけにはいきません。
成功というと何をもって成功というかというと、契約書に判を押し、契約金を支払い、鍵を受領することです。
ほぼ事務的な処理が多く、昨日今日始めたばかりの新人営業マンでも即戦力として実践可能です。
賃貸業務の流れの順番は入れ替わるときがあります。先に契約金を支払うケースも多々あります。
まずは入金が重要
最後1つしか空きがない部屋を完全に抑えるためには申込をしたうえで入金しかありません。
よく「部屋止めできないか?」と言われますし、私も言うことがありますが、管理会社によっては口頭でOKだったりします。口頭では難しい場合もあります。
入居を決めたお客様には「入居申込書」という書類に記載してもらうわけですが、その書類には法的な縛りというのは正直ありません。
人間が決めることです。何の世界であってもキャンセルというのはつきものです。
そのキャンセルを極力なくすために仲介営業マンというのは入金を急かせます。(私はそこまでは急かしませんが。)
入金を急かせる理由というのは、同じ部屋に入居を希望されている人が他にもいる場合に多いです。
入居者からの仲介手数料は1か月が上限
話を戻すと、仲介手数料というのは宅建業法上、入居者から1か月分を受領する場合は「承諾」が必要です。
ご存知ない方がたくさんいらっしゃると思いますが、これをちゃんと肝に銘じて仕事をしている不動産仲介営業マ
ンというのは本当に少ないです。
当たり前のように「1か月分いただきます」とマニュアル通りに言っています。
実際にこれについては入居者(消費者)から「同意していないのに、請求された」という苦情が宅建協会等に連絡
があるのも事実です。
こういった入居者というのは業法的に詳しい人だとは思いますが、厳密に言えば、「貸主か借主のどちらか一方から受けることのできる報酬の額は、依頼者の承諾を得ている場合を除き、賃料の1か月分の0.54倍に相当する金額以内とする」となっているのです。
少し言い方を変えるなら、「依頼者の一方から受ける報酬の額は1か月分の0.54倍以内でなければならず、それ
を超える報酬を受けることについて承諾を得ている場合にのみ、1か月分に相当する金額を受けることができる」
というものです。
なので、この「承諾」というのが最大のポイントで、「1か月分もらっていいですか?」と「あぁいいですよ」という承諾があればそこで初めて「承諾を得た」ということになります。
家賃1か月分の仲介料は当然ではない
これをあたかも当たり前のように「仲介手数料1か月分は当たり前」と言うから問題が起きるのですが、現実問題
としては、一部屋2、3万の部屋決めに、時間とガソリン代を使って案内して1か月分ももらえず、1万、1.5万の報酬では正直割に合わないというのはあると思います。
あっ、すいません。本音が出てしまいましたね...。
私はちゃんと言いますよ。「あなた様にピッタリのお部屋を紹介しますので、1か月分の手数料を頂戴してもよろしいでしょうか?」と...。
ついでに「ピッタリじゃなかったらその分引いてもらっていいですよ」と...。
ま、ご用心ください。