2018.02.03

自然災害でも外壁・屋根修理費用が火災保険で出る場合があるの？

長年に渡り、雨風にさらされている建物、特に屋根や外壁は一番損傷を受けやすいものです。

10年、15年と放置状態の建物であればチョーキング現象といって指で触れただけでチョークの粉のようなものが指に付きます。こうなると「もうそろそろ塗装が必要になってくるなぁ」という注意情報です。

当然ながら自然損耗や経年劣化は当たり前の事ですので、その場合の補修費用は自腹です。

足場を組んでの大掛かりな作業になりますので、屋根や外壁塗装だけで100万以上はかかってきます。

家を買う時はそんな先のことまで考えないで買うのに、事実、年数が経ってから初めて気が付くものです。

火災保険が出るのは火災だけではない

よく勘違いされている方で多いのは、「火災保険だから火災の時しか出ないのでは？」とおっしゃることです。

とんでもないです。これは損をします。自分で何もかも判断したらいけません。

一度、保険証券を見直してみてください。

火災、風災、水災、雪災というのが基本補償に組み込まれているケースが多いですが、近年の風災によって瓦がずれたり、外壁が損傷を受けたりすることもあり、それは目に見えるものではないところで発生している可能性があります。

そして、自覚症状が出たときに気付きます。特に雨漏り、外壁の一部の落下等です。

その時に役に立つのが火災保険です。ひょっとしたら認定される可能性があります。

自分だけで「これは出ないよ」と判断してしまったら損することになりますので、注意が必要です。

目に見えるところで発生したのならば誰でも「これは台風で起きたもの」と自覚してすぐに保険代理店に相談したりするでしょう。

しかし、屋根や外壁に関しては、生活するうえで常に上を見ている訳ではないため、非常に分かりにくいもの。

自覚症状があらわれたときには´時すでに遅し´ということも案外と多いもの。

疑いが少しでもあれば、保険代理店に連絡をして相談してみてください。

加入されている保険代理店としてはお客様の事ですから無下な対応はできないと思いますが、なかには「あぁその手の内容であれば保険は出ませんよ」と平気で言う保険会社もいます。

保険会社の内部事情にもよりますが、代理店というのは新規の顧客獲得や更新業務に躍起になっている場合も多く、入った後の処理というのは後回しになる可能性が高いため、「面倒くさい」と思われがちな業務になるからです。

なので、一番良いのは「保険適用はできますか？」ではなく、「保険請求したいので書類をお願いします」とキッパリと言ってしまったほうが良いと思います。

そうすれば断りようがなく、「じゃあ書類を準備します」もしくは「現地調査をします」となるはずです。

一通りの書類作成（写真撮影、状況確認書、見積書等）が終わったら、保険会社の鑑定人が現場視察に来ます。

特に足場を組んで見る訳ではなく、見える範囲内で確認します。

そこで判断が下されるわけですが、保険会社の本音としては「あぁだこうだ」と言って払いたくない訳ですから、まずは免責事項を探ります。

どこからどこまでが自然損害なのか？それ以降が事故によるものか？の明確な線引きの判断は鑑定人が握っていると思ってもよいでしょう。

ずっと前からこの手法を使った悪徳業者が数多く見受けられ、「屋根を火災保険で修理します！まずは無料で見積もりします」という謳い文句で書類を記載させられます。

そして、すぐにその会社から連絡が入り、「まずは見積もり業者を手配させる。その業者に頼まないと違約金がかかりますので了承願います」と言った内容です。

そして、期待させるだけさせて実際には認定が下りなかったということも数多く耳にしました。

それだけであれば何も悪徳ではないのですが、「指定業者は高いので違う業者に変更する」と言うと膨大な違約金を請求されたりと、そういった苦情被害は後を絶ちません。

最近、私が日頃から懇意にさせてもらっている知人が、「もうそろそろ屋根のふき替えをしないといけない」と相談を受け、「火災保険が適用される可能性もあるが、第三者が代理で申請すると出ない可能性があるため、ご自分で請求するといいですよ」とアドバイス。

すると約1か月後、「香月さん、ありがとう！言われた通り請求したら半分ですが認定が下りました。アドバイスが無かったら全額自己負担するところでした。助かりました！」との内容で、「それは良かったですね」と言いました。

どうやら結構な金額だったようで、´それだったら請求しないと損だな´と思いましたね。

皆さん、屋根は見えないところで耐え忍んで家を守ってくれています。大事にしましょうね。