民泊は広がるのか?賃貸経営にも影響あり,空室対策になり得るのか?

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民泊とは何か?最近でこそメディアがあまり報道しなくなりましたが、以前はよくテレビやニュースで耳にしていましたね。

マンションやアパート、戸建を宿泊客に貸すということで、外国人旅行者が来日した際、宿泊先がない時に民間のそういった場所を一時的に貸すということです。

民泊は合理的な手段

外国人観光客にとってはホテル不足によって泊まる場所がないため、空家などに困った大家さんとの間で利害関係が一致しますので、非常に合理的な方法だとも言えます。

これまで東京や大阪、京都などでは参入障壁が高かったため、無許可で行う大家さんが多く、そのため近隣とのトラブルが急増し、撤退を余儀なくされた大家さんも多いと聞きます。

お客様にサービスを提供する一方で、お客様を宿泊させて料金をもらうという行為自体が旅館業になるため、保健所等の厳しい許可を受けないと営業ができない。つまり厳密に言えば違法行為であったものが、政府は推進しているものの法整備が遅れているという奇妙なシステムでした。

それが昨年、許可制から届出制度に改まったため、さらに参入のハードルが下がり、大家側からすれば歓喜の声が上がる一方で、適正な営業ができるのかどうか?そのチェック体制は自治体側に委ねられている現状もあります。

東京オリンピックに向けた法整備が急務

訪日外国人が急増している昨今、都会だから需要がある、地方だから需要がないというのは思い込みであり、地方でも観光名所はたくさん存在するため、あなたの街でも営業ができるかもしれません。

民泊は本来、旅館業の「簡易宿所」と位置付けられ、許可が必要でしたが、手続きが面倒だったため、大家や管理会社等の同意を得ずに提供する無許可営業が横行しており、2017年3月現在で約4万件、九州でも2千件以上あるとみられています。

やはり一番の問題というのは「近隣の同意」と言えるのかもしれません。

「変な外国人が真夜中にうろうろしている」
「毎晩騒いで眠れない」
「ごみのポイ捨てがひどい」

外国と日本の文化の違いもあるのでしょうが、それらの現実的な問題を置き去りにした状態では、法改正も何もあったものではありません。

業務停止等の罰則もある

今回の法改正では所在地や苦情窓口を屋外に掲示することなどが義務付けられるようで、違反した場合は業務停止や罰金、懲役の罰則もあります。

ただ実際にルールを守る健全な大家さんやホスト(物件オーナー)がどれくらいいるのか?というのもポイントとなってくるでしょう。

ネット社会ですので、ある程度の口コミなどで質そのものは保たれるかもしれませんが、それを仲介する第三者が施設を事前にチェックする態勢などについては明文規定もなく、福岡市内だけでも1400件あるとされる無許可営業が改善されていくのか、疑問も残ります。

それと、新法では民泊の営業日数を年間180日以内と定めており、今後、新規参入が増えるかどうか?とても気になるところではあります。

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