原野商法というのは今でもある？二束三文の土地を交わされる手口
昔よく流行った原野（げんや）商法という商売。
商売ではありませんね。れっきとした詐欺です。
よくあったのが、
- 建物が建てられない土地
- 将来、道路が通って値上がりする
- 今は山になっているが、将来切り拓いて立派な土地になる。
という何の根拠もない薄っぺらい内容で、二束三文の土地を、口八丁でお年寄りたちをダマす手口です。
最近ではあの大手のセキスイハウスが６０数億円を「地面師」という詐欺グループにいとも簡単に騙されたという事件がありましたが、日本を代表する一流企業が騙される訳ですから、素人に太刀打ちできるはずがありません。
バブル時代に流行った詐欺
1980年台後半のバブル時代に流行った組織ぐるみの犯罪で、そこにグレーというのは存在せず、完全な詐欺商法です。
それだけ不動産に関しては無頓着な方が多く、じつは今でも聞いたりします。
そして、問題なのは、騙されているのに、騙されたことに気付いていない、それか、騙されていることに気付いてはいるが、その現実を受け入れたくない。
というもので、非常に厄介です。
こないだ相談に来られたお客様は、「山を持っている」ということで、一瞬「んっ？」となりました。
話をよくよく聞いてみると、どうやら、「20年前に知人から『この山は再開発地域に指定されており、キレイな分譲地となります』と言われて買った」というもので、そのときの企画図面を見せられました。
私は不安を感じながらその場所へ行くと、案の定、完全な「山」でした。
その区画図面通りの土地というのはひとかけらもなく、「あ～やっぱり」という感じでした。
商売人がよくダマされる？
そのお客様は市内で細々と薬局を営んでおり、「昔は羽振りが良かったんでついつい買っちゃった」と嘆いていました。
薬局と言えば今でさえ、ドラモリやコスモスといった大手が進出しておりますが、そのお客様がおっしゃるには、「うちの仕入れ値より安く大手が売っている場合がある。うちはそれに利益を乗せないと利益が出ないので、どうしても大手より高くなる。売れるわけがない」と心底嘆いていました。
どうにかしてあげないと、と思ったのですが、何せ「山」です。
どうすることもできず、「昔流行った原野商法なのかもしれませんね、何とかしてあげたいのは山々なのですが」と丁重にお断り申し上げました。すいません。
