トラブル・クレーム解決事例

先日、あるビルを所有していた会社が、いつの間にか夜逃げしたという物件の管理を依頼されました。

その会社の代表者がそのビルの4階に住んでいたらしく、その部屋を見たところ、キレイに´もぬけの殻´状態でした。

なぜ逃げるのか？逃げないとまずいことがあるから逃げるのだと思いますが、それはあちこちからの借金であることが多いです。

債権者からの取立てから逃れようと必死なのだと思います。

ここでいう債権者とは、まともな金融機関というのは少なく、ノンバンク系や個人だったりしますので、取立てが結構キツイことが多いです。

後先を考えることなく、一目散に逃げる、後で引き継がないといけないといけない関係者は悲惨です。最初だけですけどね。

管理会社変更の際の重要な引継事項

まず家賃です。これまでその会社に振り込んでいたものを弊社に振り込んでもらわないといけません。

それを告げに行かないといけないわけですが、まずは突然行くわけにもいかず、文書を作成して投函します。

その後に飛び込み訪問して「あのう、今度引き継ぐことなったのですが。書類はご覧いただけましたか？」と切り出しますが、ほとんどは事情を知っている人ばかりで問題はないのですが、何を持って信用するのか？という問題が生じてきます。

そりゃそうです。競売（強制売買）にかかったビルで、現所有者に変更になったとはいえ、管理会社が変われば次からはその管理会社である当社に振込先が変わるわけですから。「おっ！新手の振り込め詐欺か！」と思われても仕方ありません。

そこは我々の会社や人間性を信用してもらうしかありません。

前所有者が逃げていなければ、その所有者が文書などを提示して「今度変わりますから」と言えばそれで済むことですが、物騒な世の中です。

新手の詐欺と誤解されないように処理

新手の詐欺と間違われて警戒される可能性もありますからね。それは緊張しますよ。

そのビル、1階から3階まで店舗になっており、1階に3店舗あるため、計5店舗あります。そのうちの1店舗の店主が取り乱したようになり、「ビルの名前が変わる？それは困る？名刺を大量に作っているがそのお金はどうなる？それと敷金はどうなる？」と詰め寄られ、はて～～～．．．と。

その問題に関しては「今の時点では何も答えられないため現オーナーとの話し合いになる」とだけ言い残して退散。非常に問題です。

前所有者が敷金持って逃げている、そのことは普通に考えれば、前所有者を捕まえて取り立てる、それしかないでしょうねぇ。

警察は民事不介入ですし。告訴して刑事事件として立件してくれれば詐欺容疑で指名手配ということにもなりますが、たとえ捕まったとしても、そのようなヤカラが素直に返金に応じるのか？という問題が出てきます。

飛ぶ鳥跡を濁さず、大事なことですね。

結局は今の大家さんがすべてお金で解決するということになり、一件落着となった事例でした。皆さん、ご注意くださいね。