境界にも官民と民民がある?所有権の範囲を確定するための重要な境界です

不動産に関するお困り事・ご相談事

皆さんが住んでいる家、賃貸だろうと持ち家だろうと、住んでいる以上、お隣さんとトラブルになることは全くないとは言えません。例えば、

  • 音の問題(足音や物音、話し声、楽器、生活音等々)
  • 臭いにかんすること(ペット、ゴミ等)
  • 越境物(特に樹木の枝や葉が伸びてきている)
  • 駐車場に止める際、敷地をまたいで困る
  • 無愛想(挨拶もしない)等々

大体そんなものだと思います。

その他、もめることと言えば、境界でしょうか。ですが、普段生活をしていくうえで、ブロックがお隣さんの間にある場合、どちらのブロックなのかで議論をする場面があるでしょうか?

それは、まずないと思います。生活に支障がまったくないからです

ブロックの所有者は重要

こういった場合は別です。ブロックが5段も6段も積まれている昔のもので、倒壊しそうに古くなっていて、どちらかに倒れ掛かっている場合などです。

その場合どうなるのか?ブロックの所有者が問題になってきますので、所有者はどうにか対処しないといけませんね。

しかし、最近のブロックはせいぜい2段や3段が多く、その上にフェンスが設置されており、ほぼほぼ倒壊する危険性というのはないのではないでしょうか?

なので、普段はまったく気にしないブロックの所有者、「知ったこっちゃねぇ」って感じなのでしょうが、これに売買が絡んでくると、そうは言ってられません。

境界が明白であれば基本問題はない

最近、ご自分で取得された土地であれば、何らかの書類等によって明示されているかもしれません。

たとえば、

  • 境界標が打ち込んでいて明白
  • 取引時に不動産屋が写真を残している
  • 昔の測量図があり、明白

この中で、境界標というのをご説明しますが、境界というのは道路に線が引かれているわけでもなく、境界線を誰かが引いているわけでもありません。

境界標には色々と種類があり、プラスチック、木材、金属鋲等ですが、これが打ち込んであれば100%大丈夫という訳ではないから厄介です。

民民、官民の境界がある

それは、その境界標が民民ではなく官民である可能性もあるからです。

民民というのは民有地、つまりお隣さんとの境界とのことで、これが売買の際に一番問題が出てきます。

官民とは、道路や用水路等の官公庁や自治体が所有するもので、これは「明示しなくても良い」と売買契約書に謳っているほどですので重要ではありません。

その理由は簡単です。前面道路を市が所有している場合、その市ともめることはないからです。

市がわざわざ見回りに来て、「木の枝が道路に越境しているので切ってください」なんてことは言いませんからね。

そんなことをしていたらキリがありませんし、「そんなことしている税金や暇があるんだったら、市民のために何か他の事で時間を使え」って思いますよね。

なので、売買取引で重要なのは民民だけの境界さえしっかりした確認が必要となるということです。

稀に官民は終わって境界標を打っている場合がありますが、それが紛らわしいことに民民のブロック付近に打ち
込んでいる場合があります。

これは困ったもので、先日の取引でありました。「なんでこんな紛らわしいことをするのか」と思いますが、一見すれば官民境界標か民民境界標なのかは分かります。

所有権の範囲が決まる重要な境界

そして、プロが購入する場合が少し厄介になってきます。売主が「思っていた以上に高く買ってくれた」という場合を除き、通常は測量までして境界確定のための測量を売主側が負担してするというのは売主が嫌がります。

「測量することは義務ですよ、売れたら必ず測量して境界を確定してくださいね」と念を押しておけばいいですが、そこまでして媒介契約を結ぶ業者は極稀です。

じゃあお隣さんと立ち会えばいいのではないの?という声もありますが、そこはケースバイケースで買主がどこまで譲歩してくれるかということになってきます。

つまりは我々不動産業者の力をどこまで信用するかどうかの問題になるんですね。結局は…。

「勝手に境界標を打っているんじゃないの?」な~んて思われたら話になりません。不動産取引は一種の信用取引
です。

不動産業者を信用できなかったら、取引自体ができないですからね

皆様、ご注意を…。

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