孤独死から事件まで。ワケあり物件の種類はたくさんある,告知義務はある?
先日、市内の物件の売却相談依頼を受けました。
小学校にも近く、近所には新しい家もちらほらと建築されている場所で、100坪と手頃の広さで、見た目には良質物件と思われました。
親の遺体を遺棄していた!
ですが、よくよく話を聞いてみると、なんとお隣さんが「訳あり」ということで、かなり深刻そうな話だったため、身を乗り出しながら話を聞くと、女性が高齢の母親を数か月間もの間、家の中に遺棄していたということです。
死因等は不明ですが、病院からの通報により、女性は逮捕され、不起訴処分にはなったようです。
家は結構古く、物的な証拠等もなく、家の中で一体何が起きたのかは不明ですが、どうも精神的な病があったようで、意味不明なことを言いながら近所を徘徊することもよくあったようです。
近所に新築を建てて住んでいる方々も非常に困っているようで、「もう引っ越したい」と言っている人もいるようで、困ったものです。
これから売りに出そうというタイミング、しかも結構場所も良い物件というのに、「何てことを…」と思いました。
周知の事実であれば告知義務はある
さてこれに告知義務があるかどうか?ですが、当然あります!
お隣さんがそういう人物というのは我々が見ても当然わかるべきものですし、それを見過ごしたとなれば調査不足が指摘されます。
ましてやそういう「事件を起こした人物が隣にいる」ということと、そういう「隣で事件が起きた場所」という2点が訳あり物件であり、事故物件として扱われ、´周知の事実´というのがポイントになってきます。
この人物と場所の両方の訳ありですが、どちらが重要かということですが、現時点では間違いなく「人物」です。
隣の土地を買って住むという方は代が変わったとしても一生の付き合いが必要です。
代が変わってとても良い子供さんが後を継いだとなれば良いのですが、その確証はどこにもありません。
問題は´今がどうなのか´ということです。
現時点での問題点を調査
今どうしようかということしか買主は考えていませんし、先々の事まで考えられないのです。
何せ35年もの長期間の住宅ローンを組んで支払い続けるわけですから、先々どうなるかはわかりません。
最初の決断によって後継者達の代まで考える必要と責任が親には出てくるわけですから。慎重になります。
そんなときによりによって「訳あり」「事故物件」を買う必要があるのか?という問題と直面します。
少々高くても他の物件を探そうとなるのが通常の考え方です。
よくある格言として、「死んだ人間」より「生きている人間」のほうが怖いと…。
かなり危険な物件ですが、我々はそれでも売主がどうしたいのか?ということに対して真剣に向き合い、寄り添いながらことを勧めていくのが仕事でもあります。
不動産の仕事って、コンサルティング業務ですからね。