1棟マンションへの投資は手残りがなくても売却時に利益確定することもある?
1棟ものアパート・マンションは購入後の経営が大事であることは言うまでもありません。
出口戦略も考えた購入もある
- 入居率
- 空室リスク
- 収入面(家賃)
- 支出面(ローン支払い)
- ランニングコスト(電気代、ネット、EV、メンテ費)
- 残るのはいくらか?
- 今後の修繕費用
- 大規模な修繕費用(外壁塗装、屋上防水等々)
メンテナンス費用、ランニングコストが高い
特にエレベーターがある鉄筋コンクリートマンション、メンテナンス費用だけで月に2,3万かかる場合も。
入居率と空室時のことを考えてどれほどの入金があって、いくらの固定費用、ランニングコストがかかるのか?
毎月、たとえば10万残ったとしても、年月が経てば大規模修繕からは逃れられません。
特にエレベーターは制御盤やロープを交換するだけで300万~500万かかる場合もあります。
そして外壁塗装、これもピンキリですが、同じように300万~500万の場合も。
そうなると、入居率が90%あったとしても、支出を差し引くと、残るお金が10万しかない場合、「じゃあパッと使ってしまおう!」なんてなるはずがありません。
そんなこんなで10年保有していたオーナーさんがいらっしゃいました。
毎月かなりの負担で、「何をやっているのか分からない」と言った感じで相談に来られました。
これまでの収支を見てびっくりしました。10年保有している中で85%~90%の入居率を維持していたものの、ランニングコストが掛かりすぎて、悪くて赤字、良くて5万~10万のキャッシュフローしか出ていなかったのです。
そして数年前、エレベーターの制御盤を交換しており、その費用がなんと!350万だったのです。
高く売れる時に売っておく事も重要
その物件はインカムゲイン(手残り)はまったく見込めない物件でした。
そうなると、ではいくらで売却できるのか?というところでしたが、4000万前半台で売却できれば12%前後、4000万半ばであれば10%の利回りでした。
いずれにせよ残債が約1,500万、4,300万で売れれば2,800万円の利益確定ですが、それも表向き、実際の支出を差し引けば2,000万程度の利益。
私はオーナーさんに「売って利益を確定したほうが良いですよ」とアドバイスしました。
大規模修繕が残っていた
そして、売り時でもあったのです。その理由は、外壁塗装と屋上防水がまだだったのです。
エレベーターの制御盤工事だけは生命に関わることでしたので、それだけは断腸の思いで支払ったようですが、あとの大規模修繕に関しては生命には関係ないので、放ったらかし状態。
「もうここで利益確定して次に進みましょう」ということで売却を開始、見事に4,000万台半ばで売れ、購入時の金額から計算しても譲渡所得税はほとんどなし、見事に2,000万近くのキャピタルゲイン(出口戦略)を成功された事例でした。
ということで、このように中古マンションを10年保有されていたオーナーさんで、「月々の利益が全く残らない状態」であっても、売却することによって残債を返済して手元に初めてまとまったお金が残る。
これは大成功の事例ですね。
そして、RCは法定耐用年数が47年と長く、28年経過でも十分20年の返済期間が組めるという、何もかもがグッドタイミングだったということが良かったと思いますね。
私はこの件では仲介できませんでした。「知人が転売業者で働いている」とのことで直接取引されたようです。
個人的には悲しい結末でした...。