買主から聞かれる売却理由,ちゃんと買主に伝えるべきです。反省…。

トラブル・クレーム解決事例

中古戸建てを売却する際、買主様より「売却される理由は?」とよく聞かれます。

当然と言えば当然の事です。何か理由があっての売却ですから。

誠実に素直に答えるのが義務

それは普通に聞かれますので、我々不動産仲介業者は素直に答えないといけません。

先日、普段から懇意にさせてもらっている同業者より連絡があり、「今うちが持っている物件を売りたいので話を聞いてくれ」と言われ、喜び勇んで飛んでいきました。

概要としては

小学校徒歩5分
土地約80坪
建坪35坪
6DK
築後38年
積水ハウス施工
軽量鉄骨造
周辺坪単価平均約15万
整形地
駐車場1台

状態が良い物件は高く売れる?

築が古いとはいえ軽量鉄骨ですので、躯体構造部分(屋根、外壁等)に雨漏りの跡もなく、状態はとても良い物件でした。

ただ如何せん古いので、間取りも昔のDKタイプ、駐車場が1台なので、庭を壊して1台増設するにも縦列になるし、その庭にはちょうど大きな岩があります。

間取りをLDK仕様にして、駐車場を2台分に広げ、後は通常の原状回復程度のリフォームをしても200万前後で済むような感じです。

それを「1,000万で買ってくれないか?」との売主からの依頼でした。

普通に計算しても80坪×15万ですので1,200万です。

リフォーム代200万として1,400万、利益を200万乗せても1,600万で売れる計算は合理的ですので、1,000万で十分買いです。

売却理由は非常に重要

買主を連れて行き、「1,000万でいいなら検討する」とのこと、ついでに「売却理由は?」と聞かれたので、私は現所有者(会社)が前所有者(ファミリー)から購入した経緯を聞いていたので、そこを素直に「近所に土地を買って建てたので、そちらに住み替えです」と答えました。

そこまでは良かったのですが、案内の際、現所有者である会社関係の方が現地をうろついており、しかも玄関ドアには、「管理、〇〇会社」と記載した張り紙が貼られており、その不自然さに買取業者は怪訝な表情、

案の定、「すぐには返事を出せない」とのことで帰っていきました。

買主から怒られる

しばらくして、「今日はありがとうございました、どうでしたか?」と聞いてみると、

「最初は売却理由を尋ねたときに『住み替え』と言っていましたが違いますよね。どうやら会社(業者)が転売目的で購入したが、リフォームを途中で断念したとか、そんな感じではないのですか?事実と違うことを言われると、こちらとしてはかなり不安ですよ」と注意を受けました。

私は誤解を解こうと、「すいません、それは前々所有者の売却理由が『住み替え』でしたのでそう答えてしまいました。おっしゃるとおり、間違いなく現所有者が買い取っています。それからまだ数か月しか経っていなかったものですから、しかも現所有者はその数か月間、一度も住まれていなかったものですから、あくまでも住んでいた前々所有者の売却理由を答えてしまいました。伝え方が悪くて申し訳ありません」と謝罪しました。

私の心の中では´う~ん、そこで不審がられるか!?´と思ったのですが、どちらにせよ、誤解を与えたことで不信感を持たれたことに変わりはなく、ちゃんと誰が所有しているのかを伝えるべきだったですね。

買い手が買取業者(プロの不動産業者)であるが故のちょっとした言葉の行き違いが生んだトラブルであり、これが一般の方であれば何事もなかったのかも知れません。

このケースは本当に稀ではあるのですが、現所有者が不動産業者の場合、現所有者の売却理由、そして前所有者の売却理由を正確に伝えないといけないということですね。

反省、反省...。

Fudousan Plugin Ver.1.7.14