「信頼」という言葉には残高というのがあるのをご存知でしたか?
今日はちょっと不動産とは少し離れた内容で書きたいと思います。たまにはお許しを。
「信頼」という言葉、いろんな意味で使われると思いますが、我々が相手に何かを依頼するときに、何が武器になるのか?
何によって人の心は動かされるか?
ひとつは論理の力というのがあります。
もう一つは権限です。あの人上司だから、社長だからあの人から言われたら絶対やらないといけないとか。
もう一つあるのは信頼に関する「残高」があります。
論理とか権限とは違い、時と場合によって、信頼残高は力や武器になります。
残高というと平たくいうと貯金みたいなもの、何かをお願いするとき、過去に私が誰かに対していろいろと貯金を積み上げてくれば物事は頼みやすくなるし、動きやすくなる。残高が高い状態ですよね。
一方で残高が全然ない、もしくは借金みたいなものもある。というと不利ですよね。
この人から過去にこんなひどい目にあわされたとか、なにかすっぽかされた。
痛い目にあっているこの人と仕事をするとなると、次はちょっと二の足を踏んでしまいますよね。
信頼残高はコミュニケーション
信頼残高はコミュニケーションに大きく影響を与えるわけで、なのでいくら論理が弱くても、ペーペーであっても残高が高ければ物事は動きやすくなる。
逆にロジックが完璧でも残高がマイナスであれば否決されてしまい、動いてくれない。
若い人に論理思考を教えているのに、これだけロジックを組み立てたのに相手がちっとも動かない、ペーペーなので仕方がないのか?悩んでいるという話を聞きます。
論理とか権限の問題はあるかもしれませんが、残高の問題というのが大きく、残高が一定以上にならないと逆に論理がすごければすごいほどマイナスになるケースもあります。
論理がしっかりしているのにマイナス?
例えば新人が入ってきたとして、信頼残高ゼロですよね。
その新人が自分の仕事の課題点とか「先輩の仕事はこうこうこうじゃないですか?我が社というのはこういうところに課題があってこういう風にすべきじゃないですか」と論理的に極めて指摘されたら普通は正しければ正しいほど相手は動きませんね。
正しいとはわかっているけど、おもしろくないですよね。
「理屈の話はいいからとにかく現場行って来い、仕事やってみろ!」ということになります。
我々はロジックの力を鍛えるということも大事なんですが、それと同時に残高の存在というのも見つめないといけません。
実際に今我々の周りで人が動いてくれているのは、残高の力ということによるものではないか?との考えも必要です。
たまに、ベテランの人が、周囲が動いてくれているという状況を自分がロジックがあるからという風に過信してしまうという場合もありますが、大事なのは論理の力もそうだし、残高も高める、両方をうまくいかせることが十分にできるかどうかだと思います。
残高を高めるためには?
これが、一朝一夕に積みあがらないというのが残高の難しいところ、積み上げても逆に一気にマイナスになるというのも残高の怖いところではあります。
本当に地味な話ですが、最後まで何かあったときに責任を持って残り続けるだとか、何かあった時に最後までフォローし続けるとか、 泥臭いことをいとわずにやるとか、あんまり理屈じゃありませんが、残高が10円20円とつみあがっていく、そういうところはあると思います。
その人に対する信頼ですからね。そして、残高の貯金は使うためにあります。
残高があるということは、ロジックでみんなを納得させられなくてもみんなが動いてくれる状況であるということです。
新しいチャレンジとか難しいチャレンジというのは、しょせんロジックで納得させることには限界があるんですね。
だからこそ残高が高い人がロジックの力だけではなく、残高を使ったうえで人を動かしていくってことにチャレンジしましょう。
新たな仕掛けにチャレンジしましょう。残高を通じてのメッセージです。ロジックと信頼残高については、ロジックだけでは人は動きません。
残高だけ持っていてももったいない、あればあるだけの難しいチャレンジをしていきましょう。