先日、中古住宅のインスペクション調査(住宅・建物診断)への立会い

不動産に関するお困り事・ご相談事

インスペクション調査、う~ん、聞きなれない言葉です。

国土交通省がいわゆる安心な中古住宅の取引を普及させるための促進事業として開始したもので、 昔から言われている瑕疵(欠陥)物件を買主が買わされて「多額の修理費用が掛かったので、売主さん払ってくれ!」というトラブルをなくすためにできた制度です。

当然と言えば当然なのですが、その一方で、売買契約書の中では特約条項として、「売主は一切の瑕疵担保責任を負わない」という条文をうたっており、買主自身も了解して契約している。それは合意があっての契約なので、それはそれで有効です。

´契約自由の原則´というのがありますので。

診断内容メニュー

  • 小屋裏
  • 床下
  • 給排水設備
  • 建物の傾斜測定
  • 外壁
  • 基礎
  • その他主要構造部

そのほとんどが目視によるもので、建物の傾斜は測定器を使用していました。

診断時間は1時間~1時間半といったところです。

目に見えない重大な瑕疵

契約自由の原則というのがありながらも、後で生活に支障をきたすような重大な欠陥が発生した、例えばシロアリ、雨漏り、これはかなり重大です。

そこで買主さんが指摘する内容は大体一緒です。

「売主さんは知っていて黙っていたのではないか?」と。

そうくると当然、売主は「知らなかった」とそうなるわけですね。

これは当事者である売主さん買主さんの問題なので、原則的には、仲介業者(不動産屋)の責任というのは問われませんが、世の中そうは甘くはありません。

「ちゃんと売主さんに確認をしたのか?」
「少しでも注意を払って確認していれば発見できていたのではないか?」

という´調査義務違反´に問われることがあり、実際の判例にも出ております。

不動産仲介業者には調査義務がある

なので、我々が現場確認する際、目視程度でも良いので確認する義務は当然ながらあります。

それを売主さんに 「聞きもしない」、「天井を見上げるだけのこともしない」、これは論外です。

当然ながら仲介した不動産屋にも責任はでてきます。

ですが、シロアリ、これは厄介なもので、床下にもぐったり、天井裏に上ったり、それは正直できません。

ようは簡単には見えないわけです。これをどう扱うか?

双方の保護のためにやっている取引なので、契約書の条文1行だけ、「現状渡し、古いので何があっても責任は問わないことに買主は了解しました」で判を押した。

「なので買主さん何も言えないですよ」ではあまりにも買主さんが不利です。

トラブル防止のためのプロによる建物診断

そうならないように、インスペクターというプロの調査員が、事前に建物の状態がどうなっているのかを確認し、報告書として出すのがインスペクション調査です。

これは買主さんが申請してもいいし、売主さんが申請してもいいわけです。

これをすることによってのメリット・デメリットは当然ながらあります。

調査をすることによって、事前に分かるというメリットは双方にあります。

しかし、結果として多大な費用が掛かるような瑕疵(欠陥)が見つかった場合はどうなるのか?誰がその補修費用を払うのかという問題が出てきますね。

調査費用は誰が払うのか

一番良いのは売主さんが「高い金額を払ってでも補修し、買主さんとの安全な取引をしたいので、費用は事前に出しますよ」が一番良いです。

ですが、これから手放そうとされる立場である売主、あまりお金をかけたくないというのが心情で、 ほとんどがそのパターンです。

そうなると買主さんがインスペクション調査代も払って補修費用も払うという「現状渡し」のケースが多いようです。

買主さんから「そんぶん少しは値引いてよ」という値段交渉があるケースもありますので、そのときは不動産仲介業者の存在意義というのが試されます。

なかには補修箇所について「知らないほうがよかった、調査しないほうがよかった。知らぬが仏」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

箇所によってはそれはそうです。本当にどうでもよいことまで知ってしまって、「それは直す必要ないだろ、でも心理的に不安が増幅した」ということもありますから。

これは今後、物議を醸す可能性があり、本当に促進行為になるのか、見守っていきたいと思います。

カツキ不動産コンサルでは、お客さんのご要望に沿った調査をしますし、管理と仲介が主体の不動産ですので、自分でできることに関して、手抜きは一切いたしません。

損得抜きに、何でもご相談は受けております。

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