トラブル・クレーム解決事例

訳あり物件・事故物件とは．．．。

その名のとおり、過去に物的・心理的なものをすべて含み、実際に事故・事件が起きたことがある物件です。

「実際に」という表現を使ったのは、単なるデタラメな噂（うわさ）によって風評被害を受けた例も数多くあるからです。

訳ありと一言では言い表すことができないほど、その種類は沢山あり、それは大きく分けて物的と心理的とあります。

先に心理的を説明したほうが一番わかりやすいかもしれませんが、過去に他殺・自殺・事故があった物件のことを言いますが、過去に他殺や自殺があったと知れば誰だって気持ち悪がります。

何よりも「噂」というのは、ほぼ永遠に消えることがありません。

では何十年、何百年たったらどうかという問題はありますが、´言い伝え´として残る以上、我々不動産屋というのは告知義務というのがあり、知っていることに関して、それが買主の購入動機に影響を与えるのであれば、買主に伝えなければいけません。

その理由として、何よりも将来に渡って、買主の平穏無事な暮らしを保護するために告知する義務があります。

告知義務は業者の利益のためではない

誤解がないように申し上げますが、決して我々不動産業者が自分たちの利益を確保するために告知するべきものではないということです。

心理的という表現は、どういうことかというと、事件が起きた後、警察の実況見分が行われますので、周辺は物々しい雰囲気になります。

実際にその家を処分するとなると、「解体するのか」「そのまま売るのか」という話になるわけですが、現場に血だまりができていたといった場合、その血だまりが残ったまま売ることはないですよね。

専門業者を呼んで、当然キレイに掃除をして何事もなかったかのような状態にして売ることになるわけですが、そうなると´心理的瑕疵´ということになります。

瑕疵＝欠陥です。

これを´物的´という表現を使うとなると、その血だまりをそのままの状態にしておくことになります。

心理的瑕疵に無頓着な人もいる？

心理的という要素について、何も思わない人がいます。

「ん？人が死んだというだけだろ？そのぶん安いんだったら全然いいんじゃねぇの？」という感じで、ケロッとしています。

人の生き死にというのはすべての人に共通している問題で、人は必ずいつかどこかで死を迎えます。

その割合を表すなら、「病院か家」で終焉の地を迎えるというのが圧倒的です。

その死に方や死に様がどうであれ、仮にそこに怨恨というものがあり、第三者が手を下して死に至ったとしても、それを買う方もしくは借りる方が気にするかしないかだけの問題です。

霊感が強い方はどうなるのか？という問題はありますが、例えば「私には霊が見える」とか「お化けが出る」とか、そういった話はこの際なしで、もし本当にお化けや幽霊が出るとなれば心理的ではなく物的欠陥となると思います。

人が死んだという現実が消えない以上、それは周知の事実として周辺一帯に認知されている訳です。

「黙っておけば分からない」は通用しない

それにもかかわらず、それを隠そうとする不動産業者もいます。

正直言います、それは野暮です。絶対に周辺に知っている人が現れますから。そのときが大変ですよ～。何せ周りの住民はそういった話をするのが大好きですから。

以前、訳あり物件を案内中にチャイムが鳴り、「あなた案内しているようだが、ここで何かあったのか知っているの？」と、わざわざご丁寧に。

当然私は知っていたので、「はい、承知しております。それはそれはありがとうございます」ってな感じですよ。その方はよっぽど暇だったのでしょう。

こうなると隠そうと思っても隠し通せるはずがありません。私もそのつもりで案内して告知をしながら案内しています。

お客様もそれを承知の上で見ていますし、「相場より安い物件であれば何も問題ない」ということを前提で内覧をしています。

訳あり物件・事故物件の価格の相場は？

大方の相場としては、他殺は半値、自殺は3割～4割減、孤独死から数週間も発見されなかった等は2割～3割減といったところでしょうね。

とにもかくにも訳ありというのは、その大小問わず、「何か訳があって売る」ということですので、すべての物件が訳ありと言えば訳ありなんですがね。

購入動機に影響を与えるかどうかの判断は、その道の専門である不動産業者です。

下手に隠そうとしても無駄です。

後々のトラブルに発展することがないよう、何かあればご相談ください。