よくある即金買取の業者,本当に高く買ってくれるのか?その実態とは?
よく見かけるチラシや広告に「売却不動産募集中」というのがあります。
その一方で、「高く買取ります」というのもあります。
では、その両者、何が違うのでしょうか?
仲介と買取の違い
売却募集というのは基本的に仲介です。つまり、プロの不動産屋が売主と買主の間に入って取引を仲介し、「成約したら仲介手数料を頂きますよ」というもので、不動産業者としては一番リスクが少ない方法です。
リスクなしと言えば語弊がありますが、当然、チラシ代や人件費はかかっていますので、利益至上主義です。
実際に取引が成立したときにもらう手数料のこと考えれば、広告宣伝費や人件費などは安いものです。
それと比較して、「買取」というのは少し意味合いが違ってきます。
文字通り買取ですので、買い取った業者は、会社が雇用している従業員を住まわせることなどありません。
買取業者の目的は?
目的は「転売益」です。転売して得た利益を求めています。慈善事業ではないため、利益を出すためには売れるための算段をしないと買い取ることができません。
その物件が中古物件の場合、木造であれば、様々な問題が発生している場合が多く、
- シロアリ
- 雨漏り
- 給排水設備
- 木部の腐食
上記は重大な問題ですが、あとは様々なリフォーム代がかかってきます。
- クロス張り替え
- フローリングの張り替え
- 障子、畳、ふすまの張り替え
- 水周りの交換
- 外構工事(庭の剪定、駐車場増設)
リフォーム内容はたくさんあるのですが、キレイに見せるための費用です。それをしないことには買い手は付きません。
リフォームやリノベーションにはお金と手間がかかる
お金と手間がかかります。通常は分離発注と言って、一つ一つの工事には一人の職人さんが施工するわけではなく、クロス屋さん、畳屋さん、内装屋さん、土木工事屋さん、電気工事屋さん、水道屋さんと、様々なところに発注をかけ、現地で立会い、指示を出します。
これをやるのが中古物件の買取業者です。そして、それらすべての業者に見積もりを出して、高ければ安いところに相見積を出したり、交渉したり、その都度の手間というのは相当なものです。
そして、その他に必要経費が掛かります。
登記費用(所有権移転・抵当権設定等)
不動産取得税
譲渡所得税 等々
出口戦略を立てないと赤字になる
それらの費用と、利益をいくらか乗せて販売しますので、まずはその物件が周辺相場と比較して「一体いくらだったら売れるのか?」という金額を出します。
そのことを出口戦略といいますが、その戦略をまずは考えないと、安くしか売れない物件を高く買い取って赤字を出してしまったら、一体何のためにやっているのか分かりませんからね。
そして、大体いくらであれば売れるという金額を概算で調査し、前述したリフォーム費用・経費等を差し引き、「〇〇万円であれば買取れます」という金額の提示がなされます。
なので、一般的に言えば、現状で仲介で売る場合よりも買取で売るほうが価格は安いです。
買取のメリットも大きい
以上はデメリットですが、メリットもちゃんとあります。
・すぐに現金化してくれるため、売れるか売れないかの心配がない。
・瑕疵(欠陥)担保責任を負わなくて済む(買取業者はプロなので)
大きなメリットは上記二つです。
ですが、仲介のほうが安く、買取業者のほうが高く売れた!という場合も普通にあります。
例えばその買取業者が新築建売住宅を販売する業者であれば、古家を解体して、建物を建築して販売することによって利益を上げます。
その利益で採算が取れるような場合であれば、ひょっとしたら買取のほうが高くなる場合もあり、一概に言えない部分もあります。
何にしても「一概には言えない」といった要素が強いのが不動産業界、別に逃げているわけではありませんが、本当に一概に言えないんですね。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、最終的な判断は売主さんになります。
手当たり次第に営業してくる電話等には要注意
最後に、買取業者からよくダイレクトメール(DM)や電話等の手段で直接、連絡を受けたりしたことがある物件オーナー様、気を付けたほうが良いと思います。
私の経験上、個人に対して直接連絡をしてくる業者にあまりろくな人はいません。(すいません、これも一概には言えませんが、ちゃんとしている業者もあります)
自宅に電話回線を引いている方、よく電話会社や太陽光発電の会社からの連絡がありませんか?
あれは電話帳から片っ端に連絡しており、何の面識もない人に営業してきますので、なかなか信用って難しいですよね?
かくゆう私も土地の所有者に直談判に行ったりしますが...。それは信用できますよ!(笑)