平屋は本当に良いのか?意外と知らない平屋のデメリットとは!?
九州南部の梅雨入りが発表されましたね。今年も暑くなりそうです。
今日はこの時期にピッタリの内容かと思います。
弊社が取り扱う新築建売、その多くが二階建てです。
理由は様々ですが、土地が狭小地(20~30坪)だったとしても総二階にすれば、家は十分建ちますし、一般的な家族構成(3〜5人)に向いている4LDKがピッタリと当てはまるからです。
ですが、よくいらっしゃるのが、「平屋がいい」という意見です。
そこで今日は平屋平屋!と呪文のように唱えている方に、その驚くべき実態をお伝えします。
一階の温度が高くなる?
平屋住宅は、その多くの魅力から人気がありますが、一方で夏場に室内温度が上昇しやすいというデメリットがあります。なぜ平屋住宅の部屋が二階建て住宅よりも熱くなりやすいのか、その理由を解説します。
1. 屋根の影響
平屋住宅は、全ての部屋が一つのフロアに集約されているため、屋根の影響を大きく受けることになります。
夏場の強い日差しが直接屋根に当たると、屋根材が熱を吸収し、その熱が室内に伝わります。二階建て住宅の場合、二階の屋根で吸収された熱は主に二階のみに影響し、一階は比較的涼しさが保たれますが、平屋では全ての部屋がこの影響を受けやすいのです。
2. 放射熱の問題
平屋住宅は、屋根と室内の距離が近いため、放射熱の影響を受けやすくなります。
放射熱とは、屋根や外壁が太陽からの熱を吸収し、それが室内に伝わる現象で、特に夏場はこの放射熱によって室内温度が上昇しやすくなります。二階建て住宅では、この放射熱は主に二階部分に集中し、一階部分は比較的影響を受けにくいのが特徴です。
特に家族が集結するリビング、二階建ての一階は放射熱を受けにくいため夏場は涼しさが保たれて快適です。
3. 換気の難しさ
平屋住宅は、全ての部屋が同じフロアにあるため、自然な空気の流れを作り出すのが難しい場合があります。二階建て住宅では、暖かい空気が自然に上昇し、二階の窓から逃げることで換気が行われやすいですが、平屋ではこの効果が期待できません。これにより、熱がこもりやすく、室内温度が上がりやすくなります。
室内温度が上がるということは、それだけエアコンを付けなければならないため、電気代が上がることになります。
4. 広い屋根面積
平屋住宅は敷地全体に広がるため、屋根の面積が大きくなります。広い屋根はその分だけ太陽光を受ける面積も増え、熱の吸収量が多くなります。このため、屋根全体が高温になりやすく、結果として室内温度も上がりやすくなるということです。
5. 建材と断熱材の選択
平屋住宅では、使用する建材や断熱材の選択が重要です。適切な断熱材を使用しないと、外部からの熱を遮断できず、室内温度が上昇します。二階建て住宅では、二階部分に特に断熱材を多く使用することで、一階の温度上昇を抑えることができますが、平屋では全体にわたって効果的な断熱が必要です。
平屋と二階建ての温度差を実体験
先日、ある建売会社様が平屋と二階建の二棟を建築されました。もちろん隣同士です。
「平屋を見たい」というお客様の反響があり、現地を案内しました。
平屋を見た後、「ついでに隣り(二階建)も見ていいですか?」との要望がありましたので、隣りの鍵を開け一階に入ると、お客様から「ん?こっちは涼しいですね?」と言われるのと同時に私も全く同じ感想でした。
その一階部分の体感温度は平屋より2~3度は低かったような気がします。ものすごく体感できる温度差だったのは間違いないです。
まとめ
平屋住宅が夏場に室内温度が上昇しやすい理由は、屋根の影響、放射熱、換気の難しさ、広い屋根面積、そして建材や断熱材の選択など、多岐にわたります。
しかし、適切な対策を講じることで、これらの問題を軽減することができます。断熱材の強化、屋根の遮熱対策、効果的な換気システムの導入などを検討することで、快適な平屋生活を実現しましょう。