物件前の悲惨な交通事故は訳(ワケ)あり?買主借主に告知義務はあるの?
これは私の友人から聞いたワケあり話で、その友人は私が高校時代からの付き合いですので相当長いです。
その友人が勤めていた場所は南町の某有名カレーハウスチェーン店〇〇です。
もうそこまで言えば分かる人はピンとくると思います。そうです。あの悲惨な事故です。
店の前で悲惨な交通事故発生!
もう10年近くも前の話です。早朝、3人の若い男女が乗る普通乗用車が猛スピードで道路を走行中、カーブを曲がり切れず電柱に激突、車両は運転席と後部座席を境に真っ二つに引き裂かれ、そして炎上。
中に乗っていた3人が死亡したというもの。
近所の人がその衝突音に気付き、慌てて外に出ると、炎上している車内にいる若者の「助けてくれ!」との叫び声で、たまらず手を差し伸べて車内から引っ張り出そうとしたようですが、無残にも火の手が回るのが早すぎてどうする事もできなかったようです。
早朝だったため、友人はその話を聞き付け、慌てて店に駆け付けると、警察車両が数台止まっていて物々しい雰囲気で現場検証が行われていました。
物理的瑕疵と心理的瑕疵が大きかった
現場にはおびただしい焼け焦げた痕跡、そして臭い。
友人とその従業員数名は現場を見て、3名が亡くなってしまったという心理的なものよりも、現場でのその痕跡による物理的瑕疵が大きかったようです。
誰も亡くなっていなければ只の物損事故として何も問題はないはずですので、「悲惨な事故で3名もの尊い命が失われた」という感情的なものがどうしても先に湧いてきたようです。
その後の対応
友人は取締役という立場上、経営者と話し合い、ちょうどのタイミングで刈原に空店舗があるということで移転を決意、数カ月後に店を転居したとのことです。
3人も亡くなるという悲惨な事故というのはそうそう滅多にある事ではなく、最初の頃は数え切れないほどの人が現場を訪れ、焼け焦げた電柱に花を手向ける人がとても多かったようで、そんな中で数か月間の店の経営は火の車、お客さんとしても脳裏に焼き付いていたのでしょう。
私も「あいつ大丈夫かなぁ」とずっと思っていましたが、刈原店に移転するという事で一応安心していました。
目の前の交通事故の告知義務はあるのか?
さて、今回の件ですが、不特定多数が訪れる飲食店の目の前の道路で起きた凄惨な事故、故意ではない過失による交通事故です。
この店を次に借りる方に対して告知する義務があるのか?ですが、その答えは当然「あります!」
それはさらりと一言だけで良いのです。「前の道路で交通事故があり3名が亡くなっています」と、それだけです。
それまでに経営していた店、これから経営する店、それは感情的にも全く違うものです。
自殺・殺人の訳ありとは種類が違い、事故というのは何年も経過すれば自然と風化されるものです。
その理由は、あくまでも過失による事故であり、それと´住む場所ではない´からです。
近所の第三者は知っているでしょう。ですが、それをわざわざ来店されたお客様一人一人に対して「ここで事故がありましたよ」なんて言う人はいません。
これが住居であれば全く話が変わってきます。わざわざ近所の人がピンポンして言いにくる位ですから。
まったく信じられませんね。
というわけで、最近仕事の用事でその友人とたまに会う事が多くなり、そういう話になったものですから書かせていただきました。
もう取締役に就任していて偉くなったようですが、今は従業員を募集しても若手が入らず、「人手不足なので俺が現場に入っているよ」と嘆いていました。
飲食店でのバイトに興味がある方は連絡ください。条件が合えばすぐに入れますよ。