土地神話が根付いている日本,不動産投資はステータスなのか,崩壊寸前?
不動産屋という職業柄、どうして不動産に対する投資熱がどうしてこうも根強いのか?その動向というのはいつも気にしております。
「収益物件買います」の電話
よく電話が鳴ります。「一棟物の収益物件はありませんか?」と。正直うざいです。
しかも〇〇エステートという会社です。
元気は良いですよ。対応も悪くないです。しかし、特別な情報など無いのが普通の不動産屋の現状です。
そんなに毎週のように連絡されても情報などあるはずはないのに、「〇〇エステートです」の一言で、「あーもういいです」とガチャリと切ります。
ここまでしつこく同じ会社から連絡があると、もうそこの会社には情報が来たとしても絶対に連絡しませんし、紹介することは無いでしょう。
何故、同じ会社で情報を共有しないのでしょうか?そもそもそこが問題です。
ただ闇雲に連絡しまくっているという事なのでしょうが、こう何度もガチャリ対応をされたら通常は「もうここはダメだな」というインスピレーションが働くもので、社内で共有され、「ここは怒っているようだから連絡しないように」と指示があってもおかしくないでしょう。
連絡のし過ぎが原因で自分たちの首を絞めているような気がします。
土地神話は崩壊寸前?
バブル期には資産運用の一環として一番ステータスと言われていたのは不動産投資です。
日本国内の不動産全体の地価が爆上げし、それを合計するとアメリカ合衆国4つ分が買えたと言われるほどです。
その思いが代々受け継がれ、日本人に新築志向とマイホーム願望を強め、「土地・建物を保有すればオーナー」という´なんちゃってステータス´が頭に刻み込まれました。
私もバブル世代ど真ん中で、その頃は二十歳そこらですから、不動産に興味があるはずもななかったのですが、少し上の世代である30前後の投資家は「マンションを9件所有している」という話を聞いて、「あぁ無理して購入したんだな」と思ったものでした。
その後のバブル崩壊、「大損したんだろうなぁ、かわいそうに」と思ったほどです。
自己防衛反応が強い日本人
いつの時代にも詐欺事件が横行しています。特に振り込め詐欺の犯行グループによる「オレオレ詐欺養成スクール」なるものがあるほど。(笑) これには笑うしかありませんね。
でもそれだけ騙される人も多いのが現実です。
特に今話題になっている仮想通貨、コインチェック問題もあり、今では政府が取引所を許可制にしてより厳格に取り締まっていますので、逆に安全な投資とも言えます。今年一杯の参加が旬とも言えます。
コツコツ働いて稼ぐ日本人の体質、これが根底にある以上、そう簡単においしい話には飛びつかない日本人です。
物件余りになるのは確実?
私に断言できることがあります。特別な差別化を図った投資用物件でない限り、空家大国になり物件価値が暴落する事は目に見えています!
すべては需要と供給のバランスによって価格が乱高下するのは株でも通貨でも不動産でも同じです。
需要が多ければ価値は上がり、需要が少なければ価値は下がります。これは小学生でもわかる事です。
夕食の食材でキャベツが必要となればスーパーに行って買いますが、キャベツを欲しいと思っている人は限られていますね。意味もなく買う人はいない訳ですから。
そこでキャベツが数個しかなかったら、お客様側からすれば希少価値が高い訳ですから、通常は100円で買えるものが300円であっても買わざるを得ない訳です。これが価値が上がるという事です。
その例は、その年にキャベツの収穫が少なかったので供給が少なかったということですね。
その逆で、キャベツが豊作でたくさん余ったらどうなるか?もう分かりますね。希少価値が少ないため、必然的に安くなり、ひょっとしたら50円で買えるかもしれません。
このように物に供給量が限られているものであれば、一瞬の価値が下落する事はあっても長期的に見れば物の価値が上がるのが必然です。これは偶然ではないのです。
不動産投資が本当にステータスになり得るのか?十分考察が必要な時代になってきました。