結婚披露宴だと思って祝儀を持参したら…実は“成人式”だった夜」ネパール式パーティー

先日、ネパール人のお客様からパーティーに招待されました。
初めての外国人とのお取引きでしたが、とってもスムーズで本当にお世話になったお客様です。
案内状にはこう書かれていました。
「神のご加護により〇月〇日、息子のブラタバンダ式を挙行します。式にご参列賜りますよう心よりお願い申し上げます。日頃お世話になっている皆様にも祝って貰いたく、パーティーを開かせていただきます」
「ブラタバンダ式?」
聞き慣れない言葉です。
調べてみると、ネパールでは有名な儀式で、これを行うと成人として認められるとても大切な行事とのこと。
なるほど、成人式みたいなものですね。
……しかし、ここで私は大きな勘違いをしていました。
「きっと結婚式の披露宴みたいなものだろう」
なぜそう思ったのか、自分でもよく分かりません。
ですが私は、何の疑いもなく祝儀袋を持参して会場へ向かいました。
場所は百年公園内のインド料理店「ビスヌ」。
ウキウキ気分で店に入りました。
すると……
なんというか、雰囲気がちょっと違う。
いや、違うというより「あれ?結婚式っぽくない…」という違和感。
その瞬間、依頼主が満面の笑顔で近づいてきました。
私は負けじと満面の笑顔で挨拶。
「おめでとうございます!ご結婚されたようで…!」
すると依頼主。
「いや、結婚ではありません」
……
……
え?
一瞬、頭の中が真っ白。
周りを見渡すと、以前お会いした息子さんが、ものすごく派手な衣装を着て人だかりの中心にいます。
しかし……
奥様らしき女性がいない。
ここで私はようやく気づきました。
「あ、これ結婚じゃないわ」
静かに、そして確実に恥ずかしさが体中を駆け巡りました。
その後、依頼主に席へ案内され、日本人らしき方がいるテーブルへ。
雑談が始まりました。
すると50代くらいの女性がこう切り出しました。
「私、Tさん(依頼主)が日本人学校に通っていた時の先生なんです」
へぇー!そうなんですね。
そこで私も自己紹介。
「私は、Tさんが家を購入された時に仲介をさせていただいた者です」
すると先生が一言。
「Tさんが家を買うなんて、当時びっくりしましたよ」
ここで私は、とっておきのエピソードを披露しました。
「実はですね、家を買うときの最初の内覧が、かなりすごかったんですよ」
先生
「どういうことですか?」
「夜遅く、たぶん20時頃、電話が来て、“今から家を見たい”と言われたんです」
先生
「え、その時間から?」
「はい。でもその時、私すでに晩酌中でして」
先生
「それは行けませんね(笑)」
「そうなんです。ですので『後日でお願いできませんか?もう飲んでますし車が出せないんです』とお伝えしたんです」
すると依頼主が一言。
「あー、もう飲んでいるんですね。それでもいいですよ。迎えに行きますから」
私は思わず。
「えーーーー!!!」
「それで良ければ…お願いします」
そして迎えに来たのが…
今回の主役である息子さん。
しかも、息子さんの運転。
その話をした瞬間。テーブル 大爆笑。
先生
「それはすごい(笑)」
「いや、本当にびっくりしましたよ。お客様に迎えに来てもらって家を案内する不動産屋って…日本中探してもなかなかいないと思います(笑)」
その後も、ネパール料理をいただきながら、約2時間ほど楽しい時間を過ごしました。
帰り際、依頼主にこうお伝えしました。
「今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです。またこのような会がありましたら、ぜひ呼んでください」
ただし次は…
ちゃんと儀式の意味を調べてから行きます。
そして心の中でそっとつぶやきました。
「祝儀袋…間違えなくて本当によかった…」
文化の違いに戸惑いつつも、人の温かさに触れた、最高に楽しい一夜でした。